観相師 かんそうしのレビュー・感想・評価
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人の顔を見て性格・運命・寿命を見抜く観相師
ソン・ガンホ主演の時代劇ということで、ワクワクしながら観てしまいました。
ソン・ガンホ、イ・ジョンソク、イ・ジョンジェ、キム・ヘスなど、豪華キャストです。
日本の時代物は、歴史的背景がよくわかっていないと、何となく観るのを敬遠してしまうのですが、何故か、韓国の時代ものは、それほど抵抗なく観てしまいます。^^; 韓国映画・ドラマはエンタメ性を重視して、見せ方のツボを押さえているのかもしれません。
実際に起こった政権剥奪のクーデーター(1453年/癸酉靖難<ケユジョンナン>)に基づいた歴史ドラマですが、人の顔で運命を判断する観相師が宮中に仕えることとなり、結果、覇権争いに巻き込まれてしまう・・・というストーリーはフィクションのようです。
呑気な田舎の風景からはじまり、コメディタッチのドラマと思いきや、ソン・ガンホ演じるネギョンが宮廷で起きた殺人事件の犯人を観相で見事、見破り、これはテンポの良い宮廷サスペンスだなと力を入れて観ていると、病弱な先代の王・文宗が病いで死に幼い息子の端宗(タンジョン)が王位を継いだあたりから、ものすごく重苦しい空気が流れ出し終盤へと続きます。観ている側としては、多少、バランスが狂ってしまいました。でも、約2時間20分の長時間でありながら、それほど長さは感じず、退屈することはありませんでした。
お笑いコンビのようなノリのソン・ガンホと義弟のチョ・ジョンソク、面白かったですが、最後、息子の命乞いするソン・ガンホも熱演で見応えありました。首陽大君のイ・ジョンジェの悪役ぶりも板についており、いやなヤツ感全開でした。
人の顔は読めても時代の風を読めなかったネギョンは哀しい結末を迎えます。
<備忘録>
観相師ネギョン・・・ソン・ガンホ
ネギョン義弟ペンホン・・・チョ・ジョンソク
ネギョン息子ジニョン・・・イ・ジョンソク
首陽大君(スヤンテグン)・・・イ・ジョンジェ
左議政キム・ジョンソ・・・ペク・ユンシク
都の芸姑ヨノン・・・キム・ヘス
その顔相には負ける。
観相師とは巧いネーミングだなぁ~と思いながら観に行ったが、
さすがの主演ソン・ガンホ、その顔相に負けた。と云いたくなる。
胡散臭い前半の笑い~ラストの悟りまで、ほぼ彼の独壇場。
競演のイ・ジョンジェも悪徳残忍ぶりがハマっており観応え十分。
実際の史実に観相師を絡めて描くフィクションの試みは面白いが、
後半にいくにつれほぼ史実しか描かれず、残忍な業が強調されて
期待した観相の卓越技が観られず非常に残念。黒子も作ったのに。
息子を失ってのち顔相ばかりを見て(世間の)波を見ていなかった、
と嘆くガンホの言葉に、名優を使って演出を憚った監督の顔相を
見て欲しいと思ったのは私だけだろうか。139分飽きなかったけど。
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