「日本映画史に残る傑作」家族ゲーム 野獣三郎さんの映画レビュー(感想・評価)
日本映画史に残る傑作
映画館では観てないものの、翌年TVで見たのが最初。
その後も、何回も観たが飽きない。
そして年齢とともに理解度が深まり
最近ようやく横テーブルの意味が解けた。
また現在五十路になったが、自分も生きて過ごした83年当時が
どんな時代だったかを、思い起こせる映画でもある。
当時を知らない若い世代だと、ネタのような場面もあるが
今ほど成熟していない日本の一時代を、そのまま映し出している。
例えば
当時ああいう教師は確かに存在し、既に教師は聖職では無かった。
また学生が今よりずっと多く、受験競争という時代である。
お金はあっても、行きたくても誰しもが大学に行けない時代。
大学の数が今みたいに多く無かった。
お金さえあり大学ブランドに拘らなければ誰でも大学に行ける
今とは違う。
映画に話を戻すと、脚本、キャスティング、演出、カメラワーク
どれをとっても完璧で、ひじょうに完成度の高い作品である。
今思えば森田、松田、伊丹、揃って既に居ない。
日本は優れた才能を失ったものだという思いが
私の中で益々作品の魅力を引き上げてる。
由紀さおりは、当時の一般的な日本の母親を見事に演じきっている。
コメントする