劇場公開日 1983年6月4日

「やはり今観ても実に面白い」家族ゲーム 白波さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5やはり今観ても実に面白い

2022年6月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

どこにでもあるような家庭の問題をシニカルに描いた怪作。
キャストが絶妙で、伊丹十三や由紀さおりがとても良い。
脇も豹柄のお姉さんに、戸川純とか皆キャラも立っているんですね。
何より飛び抜けて松田優作の色気がすごい。
絵作りが上手く、横一の食事風景や俯瞰で映される校庭、団地の乾いた感じなおどとても独特。
特に何度も映される印象的な食卓、“最後の晩餐”を思わせる食事のシーンは実に印象的。
音楽が全く無く、生活音のみというのも作品にあっていた。
役者の芝居が全部アドリブかのように枠に囚われておらず、実に自然に見えます。
植物図鑑に卵の食べ方等細かい所作にとても拘っており、本棚に飾られているガンプラも何故かジム。コブラツイスト(風の何か。カリ城の技に似ている。)ある種その狂気
「豊島園なら一番で入れますね」や、西武高校など、東映かな?(西武沿線的な)と思ったんですが日活なんですよね。
ラストの食事風景はカオスそのもので、まさに、“最後の晩餐”でしょうね。
そしてやはり最後の“次の戦いまでのひとときの安息”のようなシーンがとても印象的。
やはり今観ても実に面白い作品でした。

白波