劇場公開日 1983年6月4日

「松田優作がすべて」家族ゲーム kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0松田優作がすべて

2019年6月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 城南大学なんだから・・・最後はそこに落ち着くのか。とにかく最後の晩餐のシーンは凄かった。松田優作ってのはこういった長回しのパートが得意なんだろうなぁ。

 教育問題的には校内暴力が目立っていた頃で、バット殺人など家族の絆が取り沙汰されるバブル前夜の時期だ。スパルタ教育も戸塚ヨットスクールのニュースが毎日流れていたように記憶している。家庭教師の松田優作は、植物図鑑をいつも携えていて、勉強なんて教えない。なにしろ「奥の細道」さえロクに読めない大学生で、ビンタをかまし、恐怖で生徒を押さえつけるタイプなのだ。

 ストーリーよりも、淡々とした家族生活をシュールに描き、いつ何が起こってもおかしくない家族。ATGだということもあり、低予算を逆手にとったイメージ。最近の森田監督映画はひどいもんだけど、初心に帰って良作を作ってもらいたいものです。

kossy