「今一つだったよ、ぐっちー」チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
今一つだったよ、ぐっちー
海堂尊のベストセラーシリーズの映画化だが、竹内結子&阿部寛コンビの第3作目ではなく、伊藤淳史&仲村トオルコンビのTVドラマの劇場版。何かちとややこしい…。
TVドラマ版は見てなかったが、竹内&阿部コンビを見ていたので、一応の設定は把握出来た。
国、自治体、東城医大による死因究明システムの大改革、国際Aiセンターのオープンが迫る中、9人の医療関係者の集団不審死事件が発生。さらに、Aiセンターを爆破するという脅迫状が届き…。
二つの事件に、ある薬害隠蔽と白鳥の忌まわしい過去が絡む。
医療ミステリーとして面白味充分だが、何だろ、演出が悪いのか、今一つ弾けない。
絡めたエピソードが見事に交錯とはならず、話が散漫し、何か一本筋を通して欲しかった。
本来実力ある筈のキャストたちのオーバー演技、何故か病院外の事件の捜査をする田口と白鳥、誰がTVドラマからの続投で誰が劇場版の新参加か…などパッとしない点が目立ち、設定や内容は良くても最後まで面白かったとまでは至らず。
犯人の傲慢が事件の真相だった「チーム・バチスタ~」「ジェネラル・ルージュ~」と違って、薬害被害者や今回の犯人の悲しみが描かれているのはいい。(犯人の犯行はもはや暴挙で絶対に許されるものではないが)
時にはリスクが伴う医療の難しさ。
医療の技術は間違いなく進歩しているが、まだまだ難題はある事を考えさせられる。
…でもこれを、竹内&阿部の中村義洋監督の映画シリーズで見たかったというのはやっぱり非道か。
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