チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像 インタビュー: 伊藤淳史×仲村トオルが明かす“白鳥&田口”コンビへの惜別の思い

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チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像

劇場公開日 2014年3月29日
2014年3月28日更新
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伊藤淳史×仲村トオルが明かす“白鳥&田口”コンビへの惜別の思い

クランクアップの挨拶の途中、不意に込み上げてくるものがあった。「若い頃は、人が『全てのスタッフ・キャストのおかげで…』と挨拶しているのを聞くと『建前だろ』とか思っていたけど(笑)、今回は実際にその場にはいないテレビシリーズのスタッフの顔まで浮かんできた。『中でも一番感謝しているのは――伊藤淳史です』と話し始めたら、ヤバくなっちゃって」。仲村トオルは照れくさそうに明かし、隣に座る伊藤を見やる。その場に立ち会った伊藤もまた、仲村が自分の名を挙げたとき、人目をはばからず号泣していたという。それは足かけ6年にわたり演じてきた“白鳥&田口”コンビへの惜別の涙だった――。(取材・文・写真/黒豆直樹)

破天荒な厚生官僚・白鳥と気弱な心療内科医・田口のコンビが病院内外の事件を解決していく人気連続ドラマとして、2008年の「チーム・バチスタの栄光」以来、4つのシーズンを重ねてきた「チーム・バチスタ」シリーズ。その掉尾を飾るのが待望の劇場版「チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像」だ。 今回の映画に先立ち、ドラマシリーズ第4弾「チーム・バチスタ4 螺鈿迷宮」が1月から放送されたが、連続ドラマと劇場版の製作が同時に発表された時、伊藤は少なからず驚きと戸惑いを覚えたという。

「この映画で完結とも聞いていたんですが正直、まず思ったのは『映画やっていいのかな?』ということ。すでに同じ原作『チーム・バチスタの栄光』と『ジェネラル・ルージュの凱旋』が別のキャストの方で映画になっていて、僕らはテレビドラマの方をやらせてもらっているという感覚だったので。ただ、ファイナルを迎えるということで、このシリーズを愛してくださったみなさんがこの作品にふさわしい場所として、スクリーンを用意してくださったのかなと徐々に感じるようになりました」

仲村も、「まだドラマを撮ってもいないのに映画を決めちゃっていいのか? という思いはあった」と振り返る。 「僕の作品でテレビから映画になったのは、30年ほど前の『あぶない刑事』だけど、あの時はドラマを終えて望まれて映画になった感覚がすごく強かった。『海猿』は連ドラ後の映画化が決まってたけど、僕は殉職する役だったから(苦笑)、『こいつらは航海を続けて広い海に出てすごいことになるけど、おれは船から降りなきゃいけないのか』という残念な気持ちだった。今回、まずテレビの『螺鈿迷宮』をいいものにして、『映画も見たい』と思っていただき、その人たちに映画館で楽しんでもらえるものにしなきゃという不安と緊張感はありました」 。

そんな思いの中で、いや、その緊張があったからこそなのか、仲村の精神は撮影を通じて、研ぎ澄まされた“冷静さ”に支配されていたという。それが過去のシリーズやこれまでのキャリアにはないアプローチを生んだ。

「ものすごく冷静に現場にいるというのが自分にとってはすごく大きな発見でした。どうやったらこのシーンが面白くなるか、監督はどんなシーンを目指しているのか、というところで自分から『じゃあAパターンとBパターンの両方やってみます』と提案したり。僕の30年弱のキャリアで2つやるという提案を自分からしたのは初めて。2パターンやる場合、たいていはどちらかに違和感を持っているか、『監督が言うなら』と自分をそちらに寄せていく作業が必要だったけど、今回はそれもなかった。それくらい冷静だったし、監督(星野和成)の、素材を集めた後の“再構築能力”への信頼があったからだとも思います」

様々な難事件や裏に隠された真実といった部分はもちろんだが、何より本シリーズの軸として存在し続けたのは、白鳥・田口コンビの凸凹ぶり。シリーズを通じて、コンビ自体、微妙に変化を遂げていくが、それはカメラが回っていない時の伊藤と仲村の関係性も同じ。伊藤は仲村との関係性、バチスタチームのチームワークについてこんなエピソードを明かす。

「トオルさんとはどこかの時点で連絡先を交換して、最近はメールのやりとりも増えましたし、良きパパとしてのエピソードなんかもたくさん聞いています。特に最近、感じていることがあって、チームでクイズ番組に出ることが多いんですが、クイズに対する意気込み、熱量が同じなんです(笑)。収録前にみんなで部屋に集まって『こういう問題が出るんじゃない?』とか話し合ったり。もしかしたら本編の撮影の時よりも打ち合わせしている(笑)。先日も、2人でひとつの回答を出す時、他のみなさんがとっくに書いてるのに僕らだけ延々と討論したり(苦笑)」 。

もちろん、クイズ番組ばかりではない。本編撮影時も小さなことについて長く深く、他の作品では考えられないほど話し合ったことはあった。仲村が振り返る。

「撮影の空き時間に、伊藤くんのあるセリフについて『このまま言うのは厳しいと思う』という話になって、それから小さなセリフひとつについて延々と話し合いましたね。死刑制度の話や伊藤くんが前に出たドラマ、僕が読んだ本の話題まで交えつつずっと話して、夕食で控室に戻った時、台本を開いて『ここをこうすれば成立するんじゃない?』と。それは、他の役者なら越権行為だし失礼なことだけど、これまで積み重ねてきたものがあったからできた。タブーがないんです。僕自身、白鳥という役柄に関して、自分で作ったという感覚はなくて、現場でみんなで作った役という感覚。だからこそ田口のセリフについてもあれだけ深く話せたし、クイズ番組の時も『じゃあ30分後に水野美紀ちゃんの控え室に集合!』とか言えちゃう(笑)」。

6年という歳月は、この先も含めた長い俳優人生の中でごくごく一部の時間かもしれない。それでも伊藤にとっては「最初はまさか続くとは思わなかった」という本シリーズ、そして田口という役との出合いは、大きなマイルストーンとなった。 「プライベートを振り返っても、すごく大事な6年間になりました。自分の中でも思い出深い出来事と重なります。『ジェネラル・ルージュ』の時には結婚して、『アリアドネの弾丸』の撮影の時に大きな震災があって、『こういうものを作っていることが正しいのか?』とかいろんなことを感じながら『やっぱり面白い作品を届けよう』と思ったこととか、すごくよく覚えています。決して忘れられないこと――良いことも悪いこともつらいことも含めて、ずっと隣にいてくれた作品、役柄だし、きっと10年経っても変わらずに居続けてくれると思います」。

仲村は本シリーズが始まる以前に原作を読んで「面白そうだな。この役をやってみたい」と感じたというが、「そんな想像をはるかに超える面白さだった」と充実感をにじませる。 「おそらく時間が経ってから振り返った時に、もっともっと自分の中で輝きが増すと思います。素晴らしい時間、作品、役柄でした」。インタビューが行われたのはドラマの放送中のタイミング。「多くの人に面白い作品を見てもらうことでここまで来られたという思いがあるので、完結編となるこの映画が公開された時、初めて“解放感”を感じるのかもしれないです。そこまでたどり着いて、初めて解き放たれるのかな? と想像しています」と伊藤。この映画が観客に届いた瞬間、どのような思いがその胸に去来するのだろうか。

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