わたしの名前は...のレビュー・感想・評価
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後味がすっきりしない
試写会で観ました。
ある女性の回想録で、
人生に絶望したトラック運転手と、
父親に性的虐待を受けた少女の物語です。
服飾デザイナー、アニエス.bの監督作品。
アニエスの服は素敵だけど、映画はどうかなぁとあまり期待せずにいたら、意外に脚本も映像も良く出来ていました。
ただ、後味悪い映画でした。
一番気になるのは、父親と娘の関係修復の場面でした。
父親は、もうあんなことしないと誓い、少女はすんなり受け入れ、抱っこされます。
性的虐待は、繰り返すものだと言われていますし、子供の身体と魂をも深く傷つけるものです。簡単に解決することはないと思うのですが…。
結婚して子供を授かるまでに、大変な苦悩があったはずなのに、何も描かれませんでした。
誰にも言えず、家族の絆を大切にすることを選ばざるを得なかった社会環境を問題にしたかったのなら、もっともっと女性の苦しみを描いたらと思いますが…。違うのかな?
その点が、すっきりしない映画でした。
期待してなかったのだが
デザイナーの初監督作品ということで意味不明の変な作品じゃないのかとちょっと不安に思っていたが杞憂でした。いや、所々片鱗はあったか...でも許容範囲でした。
話としてはまず父親の糞っぷりがとにかく目に付きます。働きもせず、
家事育児を長女にやらせ、その長女に性的虐待という糞っぷり。そこから逃げるためにトラックに潜り込み運転手と2人で旅をする訳なのですが...。最初はなぜ運転手は誘拐まがいの行動を...と思ったのですが、彼も何らかの理由で家族を失い落ち込んでいて、少女を娘のように思ってしまったのかもしれない。最後、誘拐暴行容疑で逮捕され黙秘したまま自殺するのですが、少女と出会わなかったらもっと早く自殺していたんじゃないかと思いました。黙秘も少女を守るためでしょうし、すれ違った父親をにらみつける姿はなかなか印象的です。
なんにせよ誰も少女と運転手を理解しないもどかしさがあり口惜しいです。タイトルになっているように名前を聞かれても言えない、でも運転手を呼ぶ少女を見てカウンセラーは何とも思わなかったのだろうか。
最後に、全身白塗りの日本人ダンサーの踊りは、うーん私にセンスがないためさっぱり分かりませんでした。インパクトはあるのですが何を表現していたのか全然です。
疑問は残る
時間の流れはゆっくりなのに映像がスキップしたり、速回しになったりセピアになったり…何を狙ったかわからない演出もチラホラ。ロードムービーと言うよりファンタジー?都合の良い展開も含めて常に違和感があったけど…全ては回想だからと言うことね。
ピーターの終盤の件は納得いかないかな。
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