「破滅していく結婚生活」幻の薔薇 maduさんの映画レビュー(感想・評価)
破滅していく結婚生活
破滅してゆく美しい人妻を演じるレア・セドゥ
妻が戦後の混乱や新しい時代のエネルギーに翻弄される中“幸せ”と思われる物に次々と手を伸ばしていくがその“幸せ”こそが幻の薔薇で、
夫が求めた“美しい理想的な妻”も幻の薔薇。そんなあるはずのない幻の「幸せ」を求めた故に破滅していくカップルを説明的な要素を排除して淡々と描いているのでとっても静かな映画だけど、50年代のインテリアやファッションを美しく再現してて目が幸せ。
この要素の少ない映画をレア・セドゥ の存在感だけでもたせてしまうのがレアセドゥ の素晴らしさ。とっても美しいし、ヘアスタイルやメイクもじっくり見れて楽しい。
エンディングで現代に収束していくってゆうのも面白い。
きっと日本でもあった戦後の時代の社会的な共通認識で存在していた“理想の幸せ”
に迎合できなかったからマージョリーヌは次々と物を欲しがって結婚生活を自滅的に破滅させていったけど
その“理想の幸せ”の幻想すら壊れた現代はどうなっていくのかってゆう終わり方でけっこう好き。
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