「ワン・ビンの作品を観るという快楽」収容病棟 るりさんの映画レビュー(感想・評価)
ワン・ビンの作品を観るという快楽
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スクリーンに映し出される
まごうことなきワン・ビンの画。
この美しい映像を観ることが既に快楽だ。
カメラは幾度も回廊を廻り、
徘徊を映し排泄を映す。
初め抱いた視点が別の視点に凌駕され、
さらにそれも凌駕されていく。
形を失っていくような奇妙な感覚。
家族を想起した罪悪感と痛みの上に、
病や自分の輪郭が見えなくなっていくような浮遊感が降り積もる。
今日という日と状況の寓話を
見つめているような思いがさらに重ねられていく。
ワン・ビンと同時代に生きているのは楽しい。
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