「「明けない夜はない、1枚」と言いそうになった」それでも夜は明ける トコマトマトさんの映画レビュー(感想・評価)
「明けない夜はない、1枚」と言いそうになった
ほとんどの映画を、東京・錦糸町エリアで見るが、これは時間帯が適当でなかったので、渋谷TOHOまで行って鑑賞。かなり混んでいた。さすがオスカーの金看板は効果あり。
先日見た「大統領の執事の涙」と合わせて、米国における黒人の歴史的意味を改めて理解できた。その点で、自分にはためになった映画。
そういう米国の歴史、社会の成り立ちに関心のない人でも楽しめるか、というと難しいところ。
19世紀半ば、日本が幕末に向かう時代。米国では南北対立もあり、奴隷解放前夜でもあった。
そういう時代的背景の説明は一切ない中、普通の生活をしていた「自由黒人」が同じ国内で拉致された末に奴隷として扱われてしまったという実話が実直に描かれている。
黒人をワナにはめたのも、助けたのも白人というのは結局、白人支配から抜けられない黒人の実相でもある。
そして、100数十年前には彼らはモノ扱いされていたのだから、今も黒人が差別される、という深い意味が分かるような気がする。
「大統領-」は映画館で見るほどの作品でもない(レビューは書いてないが★★)が、この作品はアカデミー作品賞を、こうした映画が取るのか、ということを知るためには見ておくべき映画だろう。
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