劇場公開日 2014年12月6日

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「面白かったです」宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟 shigezo3さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0面白かったです

2015年1月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

幸せ

寝られる

旧TVシリーズ第一作時代からのファンです。
予備知識としてヤマト2199のDVD全26話を鑑賞してから臨みました。
見終わった率直な感想は、2199のストーリーに沿った特別編的な
印象でしたが、十分楽しめました。

2199全26話を観ていなくても一個の作品として観られますが、
できれば2199を観てから映画を観たほうが解り易いと思います。
イスカンダルからの復路であること、波動砲を封印されている事、
メインクルーに大きな変動が無い事など、作品製作の上で幾つかの
大きい制約があったはずですが、製作スタッフの方々はかなり
苦労されたのではないでしょうか?意外な人物・意外な兵器に
スポットを当てて活躍させていましたが、肩も凝ることなく
無理もなく、納得できる出来栄えでした。戦闘シーンに関しては
40年前とは比較にならない緻密で良い動きをしており、劇場で
観るに耐えるものだと思います。キャラの作画がやや荒っぽい
部分はありましたが、個人的には問題ないレベルでした。

従来の作品では、「新たなる旅立ち」「永遠に」「ヤマトⅢ」
「完結編」などに共通する手法として、メインクルーや、
作品世界で大きな位置を占める登場人物を戦死あるいは死亡させ、
その悲壮感やカタルシスで感動を呼び込む形をとって
いましたが、今回の「星巡る方舟」では人物描写や精神世界の
領域で効果的に作品に厚みを持たせ、また始まるであろう次の
話へと期待を抱かせて終わる手法を採っていると感じました。
個人的に従来作品が嫌いなわけではありませんが、悲壮感を
呼び込む手法に些か辟易していたので、本作品は一服の清涼剤に
なった感じがします。
(旧TVパート1および「愛の戦士たち」は別格なので除外します)

ただし、別の点でひとつだけ。
PVですが、「ヤマト最大の危機」と「真のエンディング」は
いらなかった文言です。理由は製作者の方々がお分かりのはず。
このPVの謳い文句も、劇中作品を観終わった後の味付けに
なると思うので、留意して欲しいです。
何はともあれ、製作スタッフの皆さんお疲れ様でした。
2199の隠れたストーリーなどを製作される機会があれば、また
観たいと思います。
今後も一層のご活躍をお祈り申し上げます。

映画館に足を運んだのは久しぶりでした。2199のヤマトクルーは
旧作と比べるとキャラの線が細い印象で、女性クルー率の多さと
相俟って客層もかなり若い人たち中心なのかと予想していました
が、同世代の方々がかなり多く見受けられたので安心して観る
ことが出来ました。

shigezo3