ソウルガールズのレビュー・感想・評価
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厳しい描写は控えめ
総合:65点 ( ストーリー:70点|キャスト:70点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:75点 )
差別され続けていた豪州先住民が主人公の話で、当時かなり厳しかった差別の話が織り込んであるのだが、それへの描写も含めて演出はあまりきつくはない。描写が全体的に穏やかで観やすい反面、迫力不足に感じる部分がある。過去の経験からぎくしゃくする人間関係の話もあるが、その経緯をもっとしっかりと描いてほしかった。でも色白の先住民は政府によって白人としての教育を受けるなんていう自分の知らない話もあり、ネットで調査したところ政府がそういうことをする権利を警官に認めていたみたいで興味深かった。
物語は、実力はありながらも先住民がまともな扱いを受けられないなか、ベトナム戦争の慰問という機会を得て実力を評価されるというもの。白豪主義の豪州と違って、元々黒人がたくさんいたアメリカ人のほうがより素直に実力主義で受け入れたということかな。
ソウル・ミュージック・・
●その切なさをどの音にも込めろ。
アボリジニの戦い。姉妹たちのサクセスストーリー。それを支える家族や男たち。これだけ欲張って、マルッとひとまとめに魅せるのがスゴイ。しかもこれ、実話ですから、ってぶっ飛ばされる。
「カントリーもソウルも歌のテーマは喪失だ。カントリーはあきらめて故郷に帰る。しかし、ソウルは失ったものを求めて必死に手を伸ばす。」なるほど。その歌声は、まさにアボリジニや黒人たちの魂。思わず拳を握り締める。胸が熱くなる。ステップ踏まずにいられない。
オーストラリアの「同化政策」は、1969年まで続いたという。肌の白いアボリジニの子を政府が連れ去って白人として育てたり、アボリジニの女性に強制的に白人の子を産ませて純血アボリジニを絶やそうとしたもの。別名「失われた世代」。
クライマックスのヘリのシーン「黒い手で…」ってのは、それだけ根が深いってことなのか。ちょっと残念。
しかし、彼女たちはタフだ。どいつもこいつも、攻撃こそ最大の防御なりって感じで。
白人の街に乗り込む。切り抜き記事に人生を賭ける。戦地で男を魅了する。女は強い。
Boom boom boom ! Give me some of that sweet soul music !
蛇足だが、ケイがちょっと大柄な貫地谷しほりにみえるのは、オレだけか。
アボリジニ実話なんやて
素朴でパワフルな彼女達、最高
大感動、出会えて本当に良かったと思える作品でした。
音楽がとても素敵、最初の曲からウルウルしちゃって。ソウルフルな曲にはたくさん元気をもらいました。
1960年代のオーストラリア。先住民族アボリジニを人とみなさない差別の中、歌の得意な三姉妹と胡散臭いピアノマンのデイヴは、従姉妹を誘って「サファイアズ」を結成。初ツアー先は…!実話を元にしたお話です。
政策により引き裂かれれた家族の、どちらの側も傷ついてしまっているのが悲しいです。
ぶつかり合いながら自分が何者なのかをしっかりつかみ取る、素朴でパワフルな彼女達は最高です。
姉妹の長女・ゲイル、意地っ張りの姉ちゃん気質が切なくて可愛くて。デボラ・メイルマンの名演です。
デイヴを演じたクリス・オダウドもハマり役でした。
とにかく、音楽が良い!
話のスケールがドンドン小さくなっていく。。
随所に差し込まれる歌が良いです。
序盤のカントリーミュージックも良いのですが
中盤以降のソウル・ミュージックがより良く
彼女達の歌が話を牽引し流れを作っていっています。
歌は楽しめました。
ただ、話のスケール自体はドンドン小さくなっていく。
この点は非常に残念でした。
歌の良さに誤魔化されて
観ている時は然程気にはなりませんでしたが。
振り返ってみると、序盤で広げた(と思われる)風呂敷が殆ど畳まれていない。
序盤は人種差別的な扱いを受けるアボリジニ女性達が
素晴らしい歌声を通じて根拠無き差別を乗り越えようとする。
歌の素晴らしさに人種も何も関係無いんだ、
良いモノは、人を、皆を、感動させるんだ、という流れがあったと思うのですが。
中盤の戦地に向かう辺りから、グループメンバー毎の色恋沙汰に話が矮小化。
差別を乗り越えるという下りは無くなり
行く場所、場所で無条件に受け入れられる彼女達が描かれます。
…最早、人種的な差別なんざ最初から無かったかのように。
激戦地区という特殊環境の中。
普通の歌手は訪れることを躊躇する場所で
歌ってくれるグループ自体が希少で、かつ、女性も希少で。
彼女達が大衆に、男性に受け入れられる理由が
「歌の力」というよりは場所の特殊性による希少性に過ぎないように見えてしまいます。
特に終盤に近付くにつれて
メンバー(しかも特定メンバー)の色恋に話が寄っていく作りになっているため
安っぽい恋愛映画のようになってしまった点が非常に残念でした。
歌とコミカルな展開を刹那的に楽しみたい方、オススメです。
話も堅苦しくなくて、歌もノリノリ。
喪失したモノを再度獲得するのがソウル!!
粋な音楽、人種差別、社会状況、見事なミックス
予告を見た限り「アボリジニの女の子たちが戦争慰問のアイドルを目指す」という、これはドリームガールズのプチ版かと連想する単純なお話と思いきや、とんでもない!
アボリジニがかつて置かれた差別、黒人の民主化の動き、2重3重にもなれば暗く悲壮になりがちなテーマを良質のソウルミュージックと共に届け、考えさせられる中身の濃い作品(キング牧師暗殺までも出てくる)。
映画評論家の町山氏が昨年のベスト10に挙げていたことから、単純な構成ではないだろうとは思っていたが本当に脚本が素晴らしく、良い意味で期待を裏切られた!
また「俺にソウルを聞かせろ!」とぶっ飛ぶ演技を披露したクリス・オダウドの演技が乗っていて凄く良い。
こうなると軽薄な予告編が惜しまれる。
ソウル・ミュージックに心躍る
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