「話のスケールがドンドン小さくなっていく。。」ソウルガールズ Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)
話のスケールがドンドン小さくなっていく。。
随所に差し込まれる歌が良いです。
序盤のカントリーミュージックも良いのですが
中盤以降のソウル・ミュージックがより良く
彼女達の歌が話を牽引し流れを作っていっています。
歌は楽しめました。
ただ、話のスケール自体はドンドン小さくなっていく。
この点は非常に残念でした。
歌の良さに誤魔化されて
観ている時は然程気にはなりませんでしたが。
振り返ってみると、序盤で広げた(と思われる)風呂敷が殆ど畳まれていない。
序盤は人種差別的な扱いを受けるアボリジニ女性達が
素晴らしい歌声を通じて根拠無き差別を乗り越えようとする。
歌の素晴らしさに人種も何も関係無いんだ、
良いモノは、人を、皆を、感動させるんだ、という流れがあったと思うのですが。
中盤の戦地に向かう辺りから、グループメンバー毎の色恋沙汰に話が矮小化。
差別を乗り越えるという下りは無くなり
行く場所、場所で無条件に受け入れられる彼女達が描かれます。
…最早、人種的な差別なんざ最初から無かったかのように。
激戦地区という特殊環境の中。
普通の歌手は訪れることを躊躇する場所で
歌ってくれるグループ自体が希少で、かつ、女性も希少で。
彼女達が大衆に、男性に受け入れられる理由が
「歌の力」というよりは場所の特殊性による希少性に過ぎないように見えてしまいます。
特に終盤に近付くにつれて
メンバー(しかも特定メンバー)の色恋に話が寄っていく作りになっているため
安っぽい恋愛映画のようになってしまった点が非常に残念でした。
歌とコミカルな展開を刹那的に楽しみたい方、オススメです。
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