「プラスとマイナス」ダラス・バイヤーズクラブ xtc4241さんの映画レビュー(感想・評価)
プラスとマイナス
マコノヒーとレト。
結果的にはアカデミー賞の男優賞と助演男優賞を獲った二人だけど、とても対照的に思った。
余命30日と言い渡されたロン(マコノヒー)がどうやって生きていくのか。これが一つのテーマだった。
はじめはなんで同性愛者でもない俺が!といっていた素行不良なカウボーイが、そういう世界に入らざるをえないことになっても、やっぱり、不良なところを全開にして、体制と戦う。これはある意味で必然的な生き方だったのではないだろうか?
それに対し、レイヨン(ジャレット・レト)はトランス・セクシュアル。身も体も女性に変わりたいという役だ。なぜ、こんな風に生まれてしまったのか。どこかさみしくて、鬱々としがちだけど、最後には自分の生命保険を解約してロンに渡す。
その時、互いに毛嫌いしていたはずの2つの人種が、抱擁しあう。
そこにこの映画の素晴らしさがあると思った。
特にアカデミー賞の授賞式でいったレトの言葉。
「この受賞はエイズで亡くなったたくさんの人たちのものだ」
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