劇場公開日 2014年2月22日

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「【”豊かに生きる意味を考えていなかった男”が難病に罹患し、”考え、行動した事”。】」ダラス・バイヤーズクラブ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【”豊かに生きる意味を考えていなかった男”が難病に罹患し、”考え、行動した事”。】

2020年5月20日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、VOD

泣ける

知的

幸せ

 ■内容は巷間に数多知られていると思うので、数年振りに鑑賞した感想のみ完結に記す。

1.”女好き、酒好き、趣味はロデオ”
  自堕落な生活を送っていたロンが”世間から偏見を持たれていた難病(現在も・・・)”に罹患し、余命30日を宣告されながらも、少しづつ、真面な人間になっていく様を、マシュー・マコノヒーが正に身を削った姿で演じる姿の”圧倒的な説得力”に、何度観ても脱帽する。
 彼が罹患した事で、且つての仲間の態度が豹変する部分も哀しいが、この作品に厚みを持たせている。

2.FDA(アメリカ食品医薬局)の立ち位置の描き方の上手さ
  日本で言えば、厚生労働省の下部団体のような組織だろう。損な役回りで登場させられるが、この作品にとっては重要である。

3.レーヨン(ジャレッド・レト)の哀しき人生の描き方。
  ロンのために、金を無心に“男装して”父の所に行く姿、治療薬臨床試験に協力しながらも、今までの生き方を変えられず・・。
  ジャレッド・レトの演技も凄い。

4.イヴ(ジェニファー・ガーナー)の生き方、思想の変化していく姿。
  当初のロンに対する態度から、途中からどんどん変化していく姿。二人で夕食を摂りながら、ロンが”人生の幸せについて”語る言葉を聞く姿。そして、硬直化したFDAに失望していく姿もリアリティーがある。

<後半、ロンが世界各国を”激やせした姿”で、耳鳴り、眩暈に悩まされながらも未承認の薬を求めて飛び回る姿は、私にはファンキーな”キリスト”が民を救うために、自らの体を犠牲にしながら、"迷える大衆"を救おうとする姿に見えてしまった・・。
 そして、エンドロールのテロップの数々が流れると、必ず落涙してしまう作品でもある。>

NOBU