劇場公開日 2014年1月21日

「役者に魅力を感じない」ブロークン・アイデンティティ Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5役者に魅力を感じない

2022年3月18日
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近未来のSFアクションとの宣伝文句だが、実際はSFサスペンスといった所か。SFと言ってもメキシコ産だからなのかSF要素はさほど感じない。やはり予算的にはこちらが期待するような描写は難しいのだろう。一応SF要素として、IDで管理されている社会など、要所要所にそれっぽいものは感じるが、それ止まりである。基本は謎の組織から追われる身元不明の青年を守り抜く医師の話なのだが、命を救われたからと言って周囲の人間、あるいは世界を巻き込んだ大騒動を巻き起こすのはいかがなものかと思う。だが、その攻防等はかなりハラハラさせられ、意外にも最後まで普通に楽しめた。

パッケージの様ないかにもなSF感は皆無だが、描写が丁寧であり、複雑な部分をよく噛み砕いて説明してくれている様にも思える。それがやや間延びの原因にもなっており、中盤まではダレてしまうが、ラストの色々な意味にも取れるシーンや、記憶を失った青年の衝撃の事実など、見応えもそれなりにはあるかと思う。
これはハリウッドが巨額の制作費を投じて作り込めば、「マイノリティ・リポート」の様な名作になるかも知れない。

Mina