17歳のレビュー・感想・評価
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ポスターの絵は別のがいい気もする
というのも、イザベルはもっと少女と大人の狭間だという印象だったから。結局のところ、彼女は何に飢えていたのか、が掴めないまま終わってしまった。売春という棘のあるテーマだけれど、ヘンに煽ることのない、上品で落ち着いた映画だった。
17歳女子のことは理解不能
フランソワ・オゾンという作家は稀有なものをもっている。
彼ほど多彩な作品を撮り続けている映画監督は他にいないのではないか。
「8人の女たち」「スイミング・プール」「Ricky リッキー」
これらを撮ったのが同一の監督とはなかなか考えにくいところである。
17歳になったイザベル(マリーヌ・バクト)はその夏に初体験をすませ、秋から売春を始める。
お金のためでもなく、自分の価値を知るためでもない。
なぜ売春なのか、それはわからない。
ことによると、本人にもわかっていないかもしれない。
母親は医者で、どちらかというと裕福。
ただ、彼女の教育方針そのものは正しいとはいえない。十分にお金を与えればそれでいい、ということは決してないと思う。
お金の苦労はしないにこしたことはないが、そこをクリアするだけでは何かが足りない。この母親は、そこがまったくわかっていない。
イザベルが売春を再開しようとしたときに、颯爽と現れるシャーロット・ランプリングがかっこよかった。
オジサンの私にとっては
共感は無論のこと、ほとんど感じるもののない作品でした。
ヒロインの心情その他への分け入り方が弱いので、ただ内面の薄いバカの女の子と、日本人にとっては変と思えるフランス人の対応に首をひねるところが多かったです。評価の高いオゾン監督ですが、私の好みではないのだなあと思います。
誰しもが経験する、あの切ない時…
フランソワ・オゾンの作品は、どれも微妙な余韻が感じられる。そして、それがとても心地いい。
今作も同様。どこか冷たさを秘めた美しい主人公の女性、観る者の想像を掻き立てるラストシーン。露骨で詩的なセリフも、最初は違和感を覚えるが段々と癖になる。
"Jeune=若さ"と"Jolie=可愛さ"
誰もが体験した青春のあの頃。大人ではないのに子供でもない。苦く思い悩む複雑な時期。それは人生で一度きり、一瞬に過ぎ去る時間でもある。
『甘くもあり、脆くもある、若さ…』
『無邪気で、愛おしい、可愛さ…』
自分のもつ"若さ"と"可愛さ"に翻弄され、そして酔いしれる。主人公が経験する刺激的な行為は、まさにJeune&Jolieが原動力である。
ただ、ここでの"若さ"と"可愛さ"はイコールではなく、可愛さはあくまでも若さのシニフィエ、つまり二次的表現であると思う。
この作品で一番感じられたのは、若さそのものであったからだ。それに、ここで意味する可愛さとは、外的特徴に対する表現ではなく、言動・行動に対する表現としての可愛さに重点が置かれていると思う。
主人公の言動や行動は、大人からしてみれば、自由勝手であり得ないかもしれない。
しかし、同時に、儚さや愛おしさを感じるのは何故だろうか。それはきっと、自分も同じ経験をしたからである。
今作を観て、まさしくあなたは"若さ"と"可愛さ"を感じるはず、である。
そして、そんな懐かしくも複雑なときを、眈々と且つ、大胆に表現するフランソワ・オゾンにも、私は"若さ"と"可愛さ"を感じられずにはいられない。
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