「一杯食わされました」ガンズ・アンド・ギャンブラー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
一杯食わされました
風来坊のようなおやじが立ち寄ったインディアン・カジノでプレスリーの物まねコンテストに出たことがきっかけで殺し屋に付きまとわれるナンセンス・コメディの様相、ところが最後に驚きの種明かし、脚本・監督のマイケル・ウィニックさんにまるでポーカー・ゲームのように一杯食わされました。
今どきインディアンと牧場主のいざこざなんて往年の西部劇かよと思ったが出鱈目でもないらしい。
カジノといえばラスベガスですが隣接するユタ州にもカジノはあるのですがインディアンが経営するホテルとは初耳です、調べてみたら約240の部族が500件以上の保留地カジノを経営しており今や、インディアン・カジノの総収益は、ラスベガスを含む全米の商業カジノを上回りホワイトハウスへの献金により影響力も高まっていると言う。
アパッチの血をひくオーナーがプレスリーのファンというのも不可解ですがプレスリーがインディアンと白人の混血児を演じた西部劇「燃える平原児(1960)」が寄与しているのかも。
この映画、見世物小屋のような陳腐なキャラのオンパレード、アランポーの詩の一節を唱えながら銃を撃つ金髪の殺し屋、西部劇さながらの早撃ちガンマン、頭の皮を剥ぐぞと斧を振りかざすインディアン、俺はほんとのインディアンというインド人、日本人らしいエルビスフリーク、小人でなく小柄と言えという小人症のエルビスマニア、レスビアンの娼婦など人種から身体、性志向まで差別ネタをいじりまくり、その上、なんとゲイリー・オールドマンさんまでアバンタイトルでの客寄せパンダもどきの無駄遣い。
終盤までは意味が分からず嫌気がさしました、分かってみても監督の手練手管にもて遊ばれたようで口惜しい気が・・。