「inside out」インサイド・ヘッド k elow2@アカウント作り直しましたさんの映画レビュー(感想・評価)
inside out
何故邦題をインサイド"ヘッド"にした。
頭の内側ってわかりやすいようだけどせっかく凝ったタイトルだったのに安直なタイトルになってしまった。
ピクサーの想像力には毎度驚かされる。
人格形成や記憶、不意に頭から離れなくなるCM、ボーッと他のこと考えてる時等、そうゆう表現で魅せる思考が面白すぎる。
この映画で起こる出来事がどれも誰もが一度は幼少期に経験したであろう事象なので共感しまくれるのもこの映画の良いところ。
1人でも多くの人に共感してほしいから、海外ではライリーの嫌いな食べ物はブロッコリーなのだが、日本ではピーマンというイメージが強い為、日本後吹替版では台詞と映像がピーマンに変更されているという手の込みよう。
最初はカナシミが引っ掻き回してライリーがどんどんマイナス思考になっていき結果家出までしてしまう。
ここから驚いたんだけど
ピンポンがロケットを捨てられた時に無理矢理楽しい気持ちにさせようとしたヨロコビより、悲しみに寄り添ってくれたカナシミの方がピンポンを元気つけられたところ。
そこから夢を使って起こす話の時、楽しい夢じゃ起きないけど、怖い夢なら起きる。
徐々に徐々にカナシミも必要であることがわかってくる。
極め付けは特別な喜びの思い出を巻き戻したら元は悲しい思い出だったこと。
一見すると悲しみは少ない方が良く、喜びが多い方が良さそうなのだが、悲しみがかるから喜びがあり、悲しんでるから周りの人が喜びを与えてくれるという正に表裏一体(原題:inside out)な関係ということを気づかせてくれる。負に思いがちな悲しみを肯定してくれるとても良いメッセージだと思う。
映画の初めはなんでもマイナス思考に考えるカナシミにイライラするように作られてるけど、中盤からは落ち込んでる時に無理に元気出させようとしてくるヨロコビへイライラするように作られてて観客にそうゆう風に感情的に思わせるのはめちゃくちゃ上手いなって思った。上手すぎる。
落ち込んでる時は元気に振る舞われるより悲しみを共感してくれる方が、思う存分悲しんだほうが乗り越えられるもんね。
ビンボンのラストシーンは悲しくていつも泣いてしまう。
子供のころに作った頭の中のキャラクターが記憶から消える間際に助けてくれるの、めちゃくちゃ良くない??
自分も昔作ったオリジナルキャラクターとかいたんだろうなとか思う。もう思い出せないけど。
ピクサーの中でもトップに食い込むくらいに好き。