「カナシミが今ひとつ。」インサイド・ヘッド ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
カナシミが今ひとつ。
思春期にさしかかる女の子の頭の中を感情毎に擬人化した物語。
以前に観た「脳内ポイズンベリー」の少女版といった感じか?と
思っていたが、うーん同じようでも描き方はかなり違っている。
良いか悪いかは別として、テーマは非常に分かりやすいものの
これ、子供が観て楽しめる話かなぁ?と思ったところが大きい。
何もアニメーションは子供だけが観る訳ではないし、また子供
だからといってそこに迎合したお話が面白いという訳でもない。
いずれこの感情がどういうことかアナタにも分かるよ。という
優しい意味での事前予習にはなるが(意地悪い言い方をすれば)
田舎で自由奔放に育った1人娘が都会に引っ越してきてから
何もかも馴染めず、そこへ両親も荷物や仕事のことでイライラ。
頑張って街へ出たものの、ピザはまずいし(これは失礼だよねぇ)、
学校も楽しくない、クラブに入ったけど楽しくない、帰りたい、
私は戻りたいのよ!っていう、単なる我儘娘の話じゃないか!と
思ってしまった(すいません)。ただこういう感情が環境の変化や
思春期・反抗期特有の乱れなんだよねぇ。というのが分かるので、
ウンウンと頷きながらは観られる。因みに室井祐月さんですか?
と間違うほど似ていると思ったヨロコビと、これは見た目ならば、
確実にあの芸人さんがいいのでは?と思ったカナシミがメインの
感情キャラクターで、ある事件で脳内から弾き出されてしまった
二人が司令部に戻るべく奮闘する様子がアトラクションのように
描かれていく。なかなか戻れない二人に少女ライリーはどんどん
反抗度を増して暗く落ち込み、いよいよ家出を決行してしまうが…
残された感情達の司令で、両親とのやりとり、学校でのやりとり、
などそちらがメインのシーンは分かり易いものの、ヨロコビ達の
冒険がメインになった途端ライリーの日常から遠ざかってしまう。
感情とのリンクをもっと観たかったのでそこが非常に残念だった。
(本当はカナシミに共感できなきゃなのに、ビンボンだもんなー)