「ありがとう。自分の感情に向き合う勇気をもらえた。」インサイド・ヘッド トリプトファンさんの映画レビュー(感想・評価)
ありがとう。自分の感情に向き合う勇気をもらえた。
男一人で行ってきましたが、家族連れ、カップルに挟まれる中上映中に二度も泣いてしまいました。。。
感情を伴った思い出こそ本当に素晴らしい宝物だなとこの映画に改めて教えてもらいました。感動だけではなくピクサーらしい誰にでも共感できるわかりやすい笑いが、ちりばめられていていや~最高でした!また映像、見せ方がきれい!創造的なアイディアで表現されたアート空間に引き込まれる。
しかし話の展開、ゴールがはっきりしている分、それだけ見てしまうとただ女子がホームシックになって、家出未遂、心の中は空っぽ。。。みたいな感じでつまらないかも。
カナシミが持つ共感するフィルターを通すと、映画の物語と今までの自分の物語がリンクして、涙が止まりませんでした。思い出、その時に感じた感情の尊さをこの映画に思い出させてもらいました。
僕はこの映画を見てまた明日から、素敵な思い出ができるように頑張ろうと勇気をもらえました。
内容について(私なりの理解、感想)
ライリーは生まれ育った街を離れ、サンフランシスコに移り住む事になる。ライリーはヨロコビを大切にしている女の子であり、ビビリ、ムカムカ、イカリ、そしてカナシミを必死に抑えようとする。クラスでの自己紹介の際にこみ上げてきたカナシミを抑え込もうと葛藤するが、無理に抑えようとするあまり、大切にしていたヨロコビ、思い出も制御室から失ってしまう。そして大切にしていたはずの思い出(の街)は次々に崩壊してしまう。
更に昔は色んな空想をして遊んでいたビンボンと一緒に最も大切にしていたヨロコビも完全に失いかける。
このビンボンを消滅させる演出を嫌う人もいるけど、この演出はキャラクターの心情レベルでみると自己犠牲の精神が、レイリーの心情レベルでみるとライリーの成長(=過去の自分との別れ)過程、そして思い出は非常に尊いものであるというメッセージまで含めた効果的なシーンではないかなと思う。
最後は否定し続けていたカナシミ受け入れ、ヨロコビと一緒に制御室に戻ってくる。ライリーは大きなよろこびの思い出がある分、
大きくなって堪えていたカナシミを両親の腕の中で解放させる。カナシミを受け入れることで本来最も大切にしていたヨロコビを取り戻す。
ピトー・ドクター監督は感情はその人の個性の源であり、自分の中の全ての感情を認めることの重要性を教えてくれたのだと思う。感情から目を背け、無理に押さえ込めば、自分が本来大切にしているものも忘れ、失いかねず、素直に感情を認め、折り合いをつけることで人の成長があるということ言っていたのかな?