「ウォルトディズニーからの、僕たちへの挑戦状」トゥモローランド 年間100本を劇場で観るシネオさんの映画レビュー(感想・評価)
ウォルトディズニーからの、僕たちへの挑戦状
米国で5月頃、
都市伝説を操作する
キャンペーンが立ち上がり、
裏サイトもリアリティがあって
注目をしていた映画です。
私事ですが
広告代理店クリエイティブ業務の身としては、
かなり計算して作り込まれたプロモーションで、
こちらの面もさすがディズニークオリティ!
という感じでした。
「トゥモローランド」は、
19世紀から20世紀に活躍した
世界の名だたる賢人たちが作った組織
「プルス・ウルトラ」が創造した異次元世界の都市。
そそ組織には
エジソンやニコラ・テスラ、アインシュタイン、
ジュール・ヴェルヌ、エッフェルなど
そうそうたるメンバーがいたという設定です。
「ディズニー、最大の謎にして、最高のプロジェクト」
のキャッチコピーとともに、
このプロモーションストーリーは
綿密に作られていました。
それを事実に見せるバズ戦略を仕掛け、
(ウェブでの拡散を人為的に発生させようとするもの)
話題を作っています。
狙いどおり上映前にウワサは拡散。
現在でもニコラ・テスラのイズムを受け継いで、
フリーエネルギーで地球を守る
裏組織が実在しているなんて、
新たな都市伝説が生まれていたりしています。
(本当かもしれませんが笑)
そういう側面もふまえると、
いっそう楽しめると思いますよ。
しかしこのあざといキャンペーンが
裏目に出たのか、
米国ではあまりヒットしなかったようです。
さて映画の内容は、
SF、アクション、ユーモアがバランスよくまぶされ、
イマジネーションを掻立てられるストーリー。
とっても素晴らしいものでした。
ジョージクルーニーは
相変わらずの安定した演技ですが、
アテナ役の子役ラフィー・キャシディが、
ものスゴい才能です。
今までも脇役で登場してますが、
ディズニーの秘蔵っ子なのかな。
彼女の世界観に引きずり込まれて、
終始ドキドキハラハラします。
まるでディズニーランドのエプコットタウンで、
2時間のアトラクションを体験しているみたい。
着々と進んでいる人類滅亡へのカウントダウンを、
エンターテイメント映画で警笛を鳴らす。
ディズニーの奥深さに、感銘を受けました。
そして観賞後は、
未来について深く考えさせられます。
それはまるで、
ウォルトディズニーからの、
僕たちへの挑戦状のよう。
最近のディズニー映画の中では、
間違いなくベスト1でした。