「自然の美しさとゲリラ兵の憂鬱」Jin minminさんの映画レビュー(感想・評価)
自然の美しさとゲリラ兵の憂鬱
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この映画は、フィクションながら演出が抑えられているので、逆説的ではあるがより多くの説得をされる感がある。冒頭の10分間程度は環境映画かと勘違いしてしまうほど、綺麗で安心する山岳と森の映像なのである。ただ何と言っても最後の少女が観客に向ける目が最大の演出であることを見てしまうと、演出が抑えられている事に納得のいくものであった。勿論途中の少女の旅路も都合がいいといってしまえばそれまでだが、問題点を絞り込むにはいい流れだった。
また情報量も意図的に削がれているので、トルコ映画という触れ込みながら同様な問題を抱えているという意味で地域や時代を越える普遍性も兼ね備えている。勿論最大の人口を抱えるトルコにとっては、より突き刺さると言っていいだろう。
一方的にこれだけを見てしまうのは危険なほどよく出来ているので、そういう注意は必要であろうが、見て脳みそが振るえる類のものであることは、保証出来る。
また主演の子は、いわゆるプロの役者ではないそうで素人同然のまま自然体で演じきったと映画祭で監督が語っていたが、その点でも驚きの作品であった。ぜひその目で確認して欲しい。
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