「情熱よりも実績がないと人は信用せず動かないという現実。」ホドロフスキーのDUNE カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
情熱よりも実績がないと人は信用せず動かないという現実。
ホドロフスキーのクリエイターとしての溢れ出る情熱を存分に堪能できる作品。
アレハンドロ・ホドロフスキーは前衛舞台の演出家から初監督したトンデモカルト作品「エル・トポ」がジョン・レノンなど影響力のあるアーティストにどハマりし評価されたことで一躍時の人となったが、その後の「ホーリーマウンテン」もあくまでカルト的な人気にとどまり、決してワールドワイドで集客できる事を証明したわけではなく、失敗すれば経営が傾くほどの予算をメジャースタジオが認めるまでの実績を得ていたわけではなかった。
本人自身もはっきりと原作をレ◯プするとか上映時間20時間など言っており、ファン目線や商業的なことは一切頭になく、自身の芸術創作を純粋に追求することだけを考えていることからも、個人的にはホドロフスキーのDUNEが成功したとは思えない。
DUNEショックから立ち直った後に監督した「リアリティのダンス」を観ても自分の考えは間違っていなかったと確信する。
ただし、のちに「エイリアン」に美術スタッフとして登用されるダン・オバノンやH・R・ギーガーら、またダリ、ミック・ジャガー、ピンク・フロイドの起用という超絶面白そうなスタッフを口説き落とした情熱は尋常ではなく、デビッドリンチの失敗含め、当時を思い出してラテンのノリで楽しそうに語るホドロフスキーを見るだけでも楽しくなる映画である。
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