So Young 過ぎ去りし青春に捧ぐのレビュー・感想・評価
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薄っぺらい青春映画
前半の、能天気な女子大生の惚れた腫れたのキャラクーに全く感情移入できず、簡単に付き合ったと思ったら、すぐに現代に時間移動。
よって、その後の2人の関係においてノスタルジーとか切ない感情も全くわかず、おまけにありきたりの仲間の事故死とか、もうドッチラケ。
非常に中身の薄い退屈な青春映画でした。
90年代の中国の時代背景を知らないと厳しい
まず、「あの頃君を追いかけた」「建築学理論」とのアンサンブル!と宣伝にありますが、これらの映画とは何の関係もありません。ご注意を。
その上で、中国では、昨年興行成績第3位の大ヒットとなったこの映画。監督のヴィッキー・チャオは、1980年代に大ヒットしたテレビ時代劇「環珠格格(ワンジュー・ガーガー)」のプリンセス役で非常に有名になった人。その後も女優としてのキャリアを築いて来たが、一発奮起して監督への転身を決心、映画専門大学の監督科に修士入学し、卒業制作として撮ったというのがこの作品。
有名女優ヴィッキー・チャオの初監督作品という話題性に加え、描かれるのは1990年代という、中国が経済成長真っ盛り、将来に夢を抱いていた時代。正直、この映画はストーリーは凡庸で、監督も初心者なので映画としてのデキはイマイチ。にもかかわらず、これだけヒットしたということは、中国共産党の一党独裁と腐敗、民主や言論の自由への弾圧、開く一方の社会格差への不満が頂点に達しているいま、「あの頃」を懐古したがる中国人が多いのだろう。
1990年代に中国に留学するなどして、この時代と関わって来た日本人は「あるある」感満載で楽しめるが、そうでない人には、映画の中で語られるエピソードが何を意味しているのか解らず、今の時代との対比もできず、単なる凡庸な映画としか思えないのではないかしらん。
映画の中に、日本の曲「それが大事」を広東語でカバーした「紅日」という曲が出てくる。初日挨拶で原曲を作曲した立川さんという方がお話されていたが、映画が完成してしまってから、担当者から「曲を使わせてほしい」と使用許諾の連絡をしてきて、立川さんはもうできてしまっているのに「断ったら鬼だろう」とあっさり許可。さらに「来週、北京で映画祭なのでレッドカーペットを歩いてほしい」と言われ、ライブがあるので断ると「自家用ジェットを出すの来てほしい」と言われ、結局北京に行ったとか。
ちなみに、同じく映画の中に出てくる英国のバンド、Suedeの曲については、この映画で使用するためにヴィッキー・チャオは大金を投じて著作権を購入し、事前に使用許諾を求めている。(ちなみにヴィッキー・チャオの夫は大富豪で、金はいくらでもある。)立川さんに対しては扱いがあまりに軽い。かなり日本をナメている感があります。
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