劇場公開日 2014年4月5日

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アデル、ブルーは熱い色のレビュー・感想・評価

全73件中、61~73件目を表示

3.5熱く激しい恋

2014年5月5日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

同性同士のセックスシーンが話題になっていたのでもっとエロティックな作品なのかと思っていたら…あるカップルの出会いから別れまでを描いたフツウの恋愛映画でした。
ただ、運命の相手が同性だったというだけ。

しかし、同性同士の恋愛についてタブー視したりことさら強調したりという描写はなく異性の恋愛と変わらない描き方をしていたのがよい。
だからこそ同性同士のセックスシーンが際立ったような気がする。

そしてどちらかというと何事にも冷めているようなアデルがエマに向ける情熱的な視線が印象的。
アデル役の女優さんの唇半開きのぽかんとした表情もかわいかった。
何年かけて撮影したのか、あどけなかった顔つきが終盤には大人っぽく美しいものに変化しており少女から大人への成長(精神的にも肉体的にも)を目の当たりにできたのも貴重に思えた。

アデルにとってのブルーは情熱の象徴。
出会ったときのエマの髪の色、愛を交わすベッドのシーツの色、そして自らがまとうドレスの色…。

3時間と長い作品だけど久々に情熱的な恋愛映画でした。

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チャイラテ

3.0中だるみはなかったが。。。

2014年5月1日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

3時間という長編なので、途中中だるみがありそうかと思ったけど、案外展開が早く、少しは楽しく見れた。
ただテンポがいいかというよりは、高校生だったのが突然ガッコの先生として教壇に立ったり、相手と突然同棲してたり、相手が一流の画家にまでのぼりつめてたりと、せめて何か月後とかのテロップが入ってほしかった気もする。また同僚と数回寝たという告白も、映画では描き切れていない、というか全体的に省き過ぎた、長編を3時間にまとめた感があるような、総集編のような雑な構図であったのが残念か。
最後も、え、これで終わり?と不完全燃焼な終わらせ方もどうかと。
まぁ、仕方ないかもしれないが18禁にしてるならヘアーまで完全ボカシはないだろ、と言いたくなった(笑)

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yamatakayama

3.0ラストが....

2014年4月29日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

萌える

かわいい女の子とキレイな女性が恋をする。
これがキタナイわけがない!(*^^*)

ばっちい男が入り込む余地のない世界...

だが、映像は肉欲の裏側までも曝け出そうとする。
繰り返し執拗に、でも美しく表情の一つ一つを丁寧にじっくりと表現しているおかげで、感情の複雑な移り変わりが手に取るよう。

そんなわけで、ニヤけてみたり胸が痛かったりたっぷり感情移入できた。
ちなみに隣の席の女性は、超前のめり。
女性のほうがインパクトが強いかも。

だけどラストがね.....
えっ!?そんな普通な感じですか?
なんかヌルッとした終わり方。

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ともきち

4.5せつない。。。

2014年4月27日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

萌える

普通の民家から、これまた普通の女の子が出てきてやってきたバスに乗り込もうとする。
そんな何気ないシーンから始まる本作。

高校生アデル(アデル・エグザルコプロス)のそれこそほんとに何気ない日常が、淡々と語られる。
学校で特に問題児というわけでもなく、親と折り合いが悪いわけでもない。
ただ、淡々と過ぎ行く日常に少し物足りなさを感じていたのかもしれない。
そんなとき、エマ(レア・セドゥー)と出会う。

アブデラティフ・ケシシュ監督は、アデルとエマのセックスをかなりしつこく描写する。それもおざなりの美しいだけのシーンではなく、なにをどうしてるのかわかるようなシーンになっている。
本気とはこういうことをいう、とでも言いたげに。

だが、このシーンがあるから、のちのアデルの失意が観る者の身に迫ってくる。
エマに罵倒され、いっしょに住んでいた部屋から追いだされ、なきじゃくりながら街を行くアデルの姿には、本気で人を好きになったせつなさが伝わってくる。

男と女の話だったらここまで身に迫っただろうか。性差には幾ばくかの打算がつきもので、それでも世の人々は打算を打ち消しながら愛を語っている。

女同士の恋愛をここまで描いた功績は、やはり大きい。

アデル・エグザルコプロスは長尺の本作で出ずっぱりで、様々な表情を見せてくれる。高校生から教師まで、彼女が役柄といっしょに成長したかのようであった。

カンヌ映画祭と久々に相性が合った。

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mg599

4.0愛は性の垣根を超える

2014年4月21日
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鑑賞方法:映画館

知的

「愛は性の垣根を越える」とはアデルがクラブで話しかけられたゲイのおっさんの言葉だが、この映画はゲイカップルという関係の特殊性、或いは社会的な迫害や差別の対象としての同性愛ではなく(同性愛者のデモ運動の描写はあるにせよ)、相手を求め相手からも求められることの幸福や快楽という、極めてプリミティブで普遍的な愛についての物語だった。
同性愛という要素はむしろ、2人の関係性のイノセンスを際立たせている。
周囲や世間一般の不理解というのは往々にして、当人たちの感情を特別化させる要因となる。
古いフランス映画『シベールの日曜日』における男性と少女の親子とも恋人とも形容しがたい関係性のように、当人たちだけが理解し合える世界というのは、秘匿的だからこそ輝いて見え、そして、切ない。

お互いを貪るような長尺のセックスシーンはプリミティブな衝動の表象であり、また、ややもすれば不幸な未来を予兆する刹那的な危うさを感じさせる。
この映画における愛は肉欲でしかない、といった批判の存在を想像するのは容易い。
しかし「それの何が悪いのだろうか」という気持ちにもさせる豊かなリリシズムが、この映画には感じられた。
主演2人の表情の演技はとても印象的だったし、セリフの掛け合いも小気味良い。
アデルとエマの関係性、殊に嗜好が食い違おうとも互いを受け入れ認め合えるような精神性は、自分にとって愛のひとつの理想像だ。

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ホーリー

3.5W主演の女優は素晴らしいが、時間の浪費感が残る

2014年4月20日
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鑑賞方法:映画館

萌える

レア・セドゥが抜群に上手い。これまでの作品とはまったく違う顔を見せる。目線や仕草、体全体から漂う空気、本当にレズビアンなのではないかと見まごうばかりだ。
アデルを演じるアデル・エグザルコプロスはハイティーン特有のふっくらとした顔立ちで、デビューした頃の宮沢りえを想わせる。アブデラティフ・ケシシュ監督はアデルの食べるシーンや寝顔を多用し、目と唇の動きで幼い色気を出させようとしたようだ。

この作品、女性同士の性愛描写が取り沙汰されているが、アデルは同性愛に目覚めたわけではない。たまたま好きになり愛した相手が女性だった。それだけのことだ。ここが大きなポイントとなる。恋愛にはいろんなかたちがあり、アデルがエマに寄せる恋心はそのひとつにすぎない。
二人の女優の振る舞いが自然で、初めて本気で人を好きになった青い恋の一途さがよく出ている。

この作品、一見、何ものにも囚われないエマが奔放に見える。だが観ていくと、自分の心の赴くままに生きようとするアデルのほうが自由人に見えてくる。

ただ、話に脈絡がない。少女が大人になっていく過程を描いたのは分かるが、3時間も見せておいて何のひねりもないのは、どうもしっくりこない。フランス映画らしいといえばそれまでだが、アデルが童話作家としての道を歩み始めるとか考えられなかったのだろうか。それだとアメリカ映画的だと言われようが、何か前向きに終わってもらわないと時間の浪費感が残る。

それにしても向こうの高校は文学の掘り下げ方が深い。「源氏物語」もああいう授業だったら、もっと興味が持てただろうと思う。

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マスター@だんだん

0.5客席が

2014年4月15日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

寝られる

ガラガラ 私入れて四人
映画も 退屈な映画 ビアン アデルの
性欲 が やたら凄い 後はタバコのポイ捨て
シーンがやたら目立った

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じゅり

2.5もっと上品に食べようよ

2014年4月11日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

映像はきれい!!ブルーがあちらこちらに見えアクセントとなっている。
ただ、相手が女性なだけの恋愛と別れよね…
なので口の中が見え、音をたてて食べるのが気になって仕方なかった。

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ムーミン

3.5一途な恋

2014年4月10日
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悲しい

知的

性別を無視すれば、浮気したアデルを許さず、その後も安易に復縁しなかったエマの一途な恋を描いた作品と言える。その意味では、最後までエマを求め続けるアデルも一途というべきか。
アデル役の女優がシャルロット・ゲンズブールを彷彿とさせるアンニュイさ。

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ガク

4.5また観たい・・・

2014年4月10日
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泣ける

悲しい

カンヌ国際映画祭で絶賛の『アデル、ブルーは熱い色』
序盤から長く、中流階級の家庭に育つ極々普通の女子高生アデルのリアルな日常を、少し退屈な程に描かれている。しかし、食事をむさぼるシーンや睡眠、学校生活のリアルな様はまるでカーテン越しに垣間見ているようだった。そしてあの授業風景の中にはアブデラティフ・ケシシュ監督が伝えたかった「性を超えた愛への理解」以外にも伝えたかったメッセージがあったと思う。教科書の中で、一目ぼれをし、声をかけずにすれ違ったことへの後悔という感情を先生が説いていたが、これこそが「若者よ!やりたいと思ったことは後悔のないように挑戦しよう!」と伝えたかったのではないだろうか?そしてこの淡々としたシーンは、普通の女子高生がこの後どのように同性愛の世界に引き込まれていくのか興味津々に観ている観客を焦らしているようだった。
男の子との恋愛に違和感を持ち始めているアデルは、街ですれ違ったブルーの髪をした女性に魅了されるのだ。ここから映画の中でブルーがアクセントカラーとなり、ブルーのベンチ、発煙筒のブルーの煙、ブルーの絵画、ブルーのシーツ、洋服、海、映像はさりげなくブルーが美しくしまってくる。
ある日、ガールズバーに行ったアデルは、そこでブルーの髪をした美大生のエマと再会するのだ。そして二人は惹かれあい、愛し合う。
この二人のベッドシーンは、女優魂を見せつけられたようで感服した。
音楽の少ない映画だったが、アデルの誕生会でかかった曲(I FOLLOW RIVERS)が、私には心地よく、ノスタルジックな中に新しさと力強さを感じて一瞬で好きになった。そんな音楽にあわせて踊るアデルの複雑な心情をした目が印象的だ。
 やがて先生の職についたアデルはエマと一緒に暮らすようになるが、インテリジェントな家庭で育ち、違った世界観を持ったエマに、アデルは少しずつ距離を感じ、寂しさを覚えるのだ。そしてその寂しさを埋め合わせるために、アデルは職場の同僚の男性と浮気をする。
終盤、畳み掛けるように、二人が強く結びつき、すれ違い、裏切り、別れる。
アデルの裏切りがばれ、エマの家から追い出される時の泣きじゃくるアデルの演技は圧巻だ。胸がつまる。
エマと別れたアデルは孤独と後悔に苛まれるが、数年後、カフェでエマと再会する。
エマはニッコリ微笑んで現れるのだが、それはやさしい大人の女性だった。あのはにかんだような微笑みの虜になった人は少なくないはずだ。二人はハグをして昔を懐かしむ、エマの臭いをいっぱいに吸い込むアデルの表情が切なかった。そして抑えられずキスを交わし再縁を懇願するアデルなのだが、エマの潔癖さがアデルの愛をもう一度切り捨てる。エマは今のパートナーとの良好な生活を話す。
「本当にもう私に愛情がないのか」と訝るアデルの表情がたまらなく悲しい。

ただ私的には、もう少しエマの芸術家としての苦悩と、才能が認められないもどかしさが欲しかったように思う。
ラストシーンは、あんなに華やかな成功をにおわせるのではなく、数人の画家仲間と共同でギャラリーを借りて個展を開く設定の方がリアルだ。そして、アデルがその個展を訪れ、エマとパートナーとの熱い関係を見せつけられる。アデルはひとりで作品を見て回り、エマのパートナーをモデルにした絵画をいくつも眺める中で、1点だけ自分(アデル)をモデルにしている絵画をみつける。アデルは回想する。エマが、いつもこの絵を自画自賛し、自分の作品の中で一番好きな作品だと豪語していたことを。しかし、その絵画は、売約済みというラベルが貼られていることに気付き・・・アデルは愕然とするのだ。エマが一番好きだと言っていたアデルとの思い出の作品を売ってしまうのだと・・・。アデルは確信する。本当に二人の愛が終わったのだと・・・。そしてアデルはギャラリーを一人寂しく出ていく。そこへ例の元俳優の男が追っていく。
最後のシーンは、数日後、エマが自宅で作品を描いている。その足元にはアデルをモデルにしたあの作品が立て掛けられていた。売られていなかったのだ。エマはアデルに対して売約済みだという見栄をはって小さな復讐をしたのか、やっぱり手放すことができなかったのか、わからない。おそらくパートナーに遠慮して壁には掛けられず粛然と置かれているのだろう。エマは一生この絵を手放すことはできないだろう。レオナルド・ダ・ヴィンチが『モナリザ』を一生持ち続けたのと同じように・・・。人は愛した人を、一生引きずるのだ。時に思い出に浸り、時に心の中で話しかける。
私はこんなラストがいい。アデルとエマの愛は互いの心の中で永遠に続いて欲しい。

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rico

4.0体験する映画

2014年4月10日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

パルムドール、ラブシーン、センセーショナルな宣伝文句もあり話題だったこの映画。3時間という尺もあり、有る程度心に余裕を持たせてから観賞に至った。
主人公はよく食べよく泣きよく寝る健康的な女の子。少しだらしなそうなところも親近感…。エマと出会ってから、歯車が狂ったみたいに人生が動いてく。恋に生きるってこういうこと?アデルの一途さ、切実な思いが画面から溢んばかりに伝わる。痛いほど。
ラブシーンは濃厚だったけど、この映画の中のワンシーンに過ぎない気がした。視線を交わすだけで官能を感じるようなシーンが多々あったし、そっちの方が印象的。
恋の始まりから終わりまで描いてる構成は、映画「ブルーバレンタイン」に似ている。これも大好きな映画だけど、アデル〜は、より主人公たちとの距離が近く、感情だけをこれほどまでかと描いてる。
正直、3時間結構疲れた。だけど映画館から出てから、映画の世界から抜け出せない自分がいた。
彼女たちの人生をあんなに近くで見ていたから。思ってた以上に感情移入したみたいだ。

これからの人生、愛とか恋とか生きていくこととか、ふと立ち止まって考えるときに、この映画をまた思い出すかもしれない。
鮮やかで切ない、熱いブルーを。

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Ao

2.0前の方に基本的に賛同します

2014年4月6日
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鑑賞方法:映画館

単純

この映画はレズビアンの恋とその性描写がひとつのポイントとなっていると思いますが、それを除いたら一体何が残るというのでしょうか? よくある出会いと恋と性行と別れがあるだけです。たしかに映像は美しいし、主演の2人、特にアデルを演じた女優は素晴らしかったと思いますが、映画な内容そのものとしては特に新鮮な視点がある訳でもなく、私には基本的に退屈でした。

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鳩ぽっぽ

0.5あさましい「肉欲」の映画。苦痛を強いる179分。

2014年4月5日
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鑑賞方法:映画館

単純

寝られる

 カンヌ国際映画祭で審査委員長を務めたスピルバーグは「偉大な愛の映画」と激賞したとのことですが、このことば、信じてはいけません。なんと云っても、この映画は一人の女子高生があらゆる欲望に翻弄される過程が軸になっているのですから。あくまで「欲望」が先にあり、「愛」などは所詮、後付けなのです。まず、食欲、このアデルという女子高生、パスタをぐちゃぐちゃと如何にも汚らしく食べます。口の中の咀嚼されたパスタが見えたりもします。観ている者に不快感を与えます。次に睡眠欲、口を半開きにして如何にも放恣な寝顔で眠りを貪ります。そして、性欲、男でも女でも来る者は拒みません。特に、美術学校の学生、エマとの女同士の全裸での性交場面はまるでケダモノです。お互いの股間を舐め合い、大きなあえぎ声を出すのですが、観ているうちに胸糞が悪くなりました。この映画では至る所で、色々な人物が文学論や芸術論を開陳するのですが、そのどれもが、誰もが知っている有名なエピソードばかりなのです。特に、サルトルやボブ・マーリーのエピソードはこちらが恥ずかしくなってくるほどの当り前の話なのです。よく知られたエピソードを挿入することによって映画を水増しするのは感心しません。しかし、この映画の致命的な欠点は殆ど編集に注意が払われていないということなのです。バーやクラブ(昔風に云えば、ディスコ)の場面が、延々とだらしなく、続くのです。(長回しとは違います。とにかくしょうもない会話がだらだらと続くのです)性交渉の場面も同様です。舐めたり、揉んだり、尻をひっぱたいたり、もう大変です。そして、終盤、アデルとエマがある喫茶店で再開する場面も冗漫です。あろうことかテーブル越しにキスをしている間にアデルが欲情し、喫茶店で行為に及ぼうとします。あり得ない話です。とにかく、こうした場面を手際よく編集していれば、映画はもっと、締まり、緊張感を持った作品になった筈です。
 私は1976年の「タクシー・ドライバー」以来、カンヌ国際映画祭で最高賞を獲得した作品は全て観ていますが、この作品はその中でも最悪の出来の部類に属します。この監督はエイゼンシュテインの「戦艦ポチョムキン」などを観直して、モンタージュのなんたるかを勉強し直した方がいいでしょう。映画というものは長ければいいというものではありません。このケシシュという監督がブレッソンやゴダールのように優れた編集技術を持っていたなら、この作品は2時間以内のしまった作品になっていた筈です。
 尚、☆を半分としたのはあくまで、私の主観的な判断に拠るものです。一人の平均的日本人が下した判断に過ぎません。特異な感性をお持ちの方は私とは全く違う感想を持つ筈です。この映画に最初から強い関心をお持ちの方、または同性愛に理解のある方は一度、観ておいた方がいいでしょう。
 新宿バルト9で午前11時の回を鑑賞。客の入りは8割強、殆どが一人の来場でした。男性よりも女性の方が目立ちました。カップルで行くのは避けた方が賢明かと思います。

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bashiba