「苦い人間ドラマ」プリズナーズ チョコさんの映画レビュー(感想・評価)
苦い人間ドラマ
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私も子供がいるので、同じ立場になったら主人公と同じ事をしてしまうかもと、見ていて怖くなりました。親の愛という絶対的なものさえ、間違った行動を生む、辛辣な映画でした。
主人公が、最後、穴に落とされます。日頃の心掛け<常に備えよ>が活きて、彼は笛を持っていました。それを鳴らせば、助けがくる、良かった!という見方の人が多いようですが。
笛のおかげで主人公の命は助かるかもしれませんが、家に帰ったところでどうでしょう。家族や隣人との信頼関係は壊滅状態です。主人公の<常に備えよ>に集約されるようなマッチョな父権主義に、周りの人々は呆れ恐れています。
主人公の絶対的な主義が、不要に人を傷つけ、事件のレッドヘリングになっています。<常に備えよ>を見習おうという映画ではなくて、そういった盲目的な主義や正義は怖い、そこを描きたかった映画だと思います。
主人公への違和感は、実は冒頭の家族パーティーの時点で描かれています。そういった細かい点を見逃してる方は、最後、謎が解けてスッキリという感想を持たれるのでしょう。
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