「オリジナル脚本がうらやましい。」プリズナーズ mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
オリジナル脚本がうらやましい。
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骨太なサスペンス映画、というところである。これがオリジナル脚本というのがなんともうらやましい。
感謝祭の日、ふたりの少女が行方不明になる。
ふたりが遊んでいたというRV車はすぐに発見され、その車に乗っていたアレックス(ポール・ダノ)が拘束される。
だが、それらしい自供を得られることなく、アレックスは釈放される。
それに我慢ならない少女の父親ケラー(ヒュー・ジャックマン)。アレックスを拉致し、なんとか娘の居場所を聞き出そうとする。
一方、捜査を担当するロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)は、現場であやしい男をみかける。
ミス・リードを誘う画面作りはさすがである。ドゥニ・ビルヌーブ監督のゆっくりと対象に迫る演出と、雨や雪、よくて曇天、そして夜の映像とすべてに渡ってロジャー・ディーキンスのカメラが効果的である。
アレックスの言葉をすべて信じるならば、この真相には容易にたどり着く。だが、そうはさせない何かが画面に横溢していた。
模倣犯が現れるのは陳腐だとしても、それなりに効果的である。
メリッサ・レオは名女優である。が、僕は彼女の素顔がよくわからない。本作でも老けメイクをおそらくしていて、ずっと眼鏡をかけている。
もし、2回目に観ることがあったとしたら、彼女を中心にすえて観てみたい。すると違った風景が見えてくるのではないか。
銃を構えた彼女を観て、いっとき頭が混乱してしまったことを告白しておこう。
まんまとだまされた。
本作は一級品である。
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