「探偵はワイン作りに向いてない」ぶどうのなみだ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
探偵はワイン作りに向いてない
『しあわせのパン』の三島有紀子監督と大泉洋が再タッグ。
『しあわせのパン』はだいぶ前に見て細かな内容はほとんど忘れたが(レビューも書いたが何て書いたか忘れた)、いい作品だった事は記憶してる。
本作は、その姉妹編と言った所か。
同じく、舞台は北海道の人里離れた自然豊かな地。
同じく、暮らす人々、集う人々。それぞれ、何かしらを抱えて。
今作も、この作品世界や雰囲気には癒される。
“青”い空、“緑”の大地。
日本映画と言うより、ヨーロッパの田園風景を舞台にした作品を見ているよう。
ワインが美味しそう。食べ物が美味しそう。
風の音が心地よい。これ、秀逸。
でも、良かったのは雰囲気だけで、話的には…。
かつてオーケストラ指揮者だったが、ある原因で辞め、父のワイナリーを継いだ兄と、一回り離れた弟。そこへやって来た女性。
各々の苦悩が美しい風景と温かな雰囲気、交流で癒されていく…というのはいいが、何かフワフワしてるのか深刻なのかどっち付かず。面白味に欠け、ちと退屈。
兄弟や父子の関係とか、結局何を言いたかったのか、今一つ伝わらず。
後、安藤裕子演じるヒロイン。
突然やって来て、他人の土地を勝手に掘って、そら迷惑。
お巡りも弟も皆、何故か彼女と仲良しこよしに。ファンタジー!
最初はいがみ合ってたのに、ちょっとお互いシンパシーを感じ合って、あっという間に打ち解ける。
アンモナイトを掘ってるという彼女だが、学者? 仕事? 趣味? 彼女は何者?
自己チューと言うか精神不安定な所も感じて、魅力を感じられず。やはり原田知世の魅力と存在は大きかった。
雰囲気はいいが…。
でも、雰囲気も話も『しあわせのパン』の方がずっと良かった。
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