マイ・マザーのレビュー・感想・評価
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ヌーベルバーグを感じた
ヌーベルバーグを感じつつ、内的な表現は間違いなく現代的だ。
●オディプスコンプレックスの話だが、二人の絶妙な距離感が素晴らしい。セリフだけに焦点を当てれば反抗期の少年と更年期の母親のつまらないケンカなのだが、その食い違いやいつまでたっても平行線をたどるやりとりがリアルで引き込まれる。
●母の描き方がいい。自分本位な言い方、趣味の悪さ。悪い人じゃないが母親なら無償にイラつく感じがセンスよく表現されている。
●シンプルな映像の構成に見えるが、色の配置、内容など実に緻密だ。息子がホモであることも前段階で仕掛けている。リバー・フェニックスのポスターなど絶妙だ。何と言っていいかわからない違和感を感じさせて伏線としているあたり、実に映画の効果の使い方がわかっている。
●単純な話と思わせながらところどころ急展開して物語に引き込まれる。
母親を攻め立てていたがホモである事がバレてて急展開で感情が逆にベクトルするところはジェットコースターのようにエキサイティングだ。
共感は無いけど学びはある
親に対して憎悪を感じた事もなく(うっとーしいなぁはもちろんあります)、カミングアウトしなければならない事もない私なので、この映画の主人公に共感することはありません。
ただ、人から、特に親から愛されたいというその気持ちは分かるし、16歳の彼がこんなにも愛情を自分に注いでほしいと感じている事が改めて学びになりました。
現在子育て中で、毎日忙しいながらも、幸せをたくさんもらっています。楽しい事ばかりではないけれど、この子達にとって、最高のお母さんでいなければという思いは無いけれど、いつまでも大好きだと思ってほしいとは思うのです。
友達のような親になるつもりはない。
ただ、こども達がいざという時にはお母さんがいる!と心の中で支えになるような存在の母親になりたいと思う。
主人公はなんだかんだ言いながらも、お母さんの存在を心の中で頼りにしているように思う。ただ、昔のようにはいかなくて、うっとーしくも思う母へどんな風に向き合えばいいのか分からないみたい。
親の心子知らず とはいうけれど、ほんまそれ。
皆さんがレビューに書いているように、私も、ドッピングした後からの恋人同士の交わる姿を美しいと思いました。お洒落な演出だなと。
あと、寄宿舎の先生から電話が来て、母親がブチギレて、ぶちまけるところは大好き。
お母さんの想いが、ぶわーって溢れ出る。
そりゃ、女手一つで育て上げた人へ、お父さんか子供には必要って赤の他人に言われたらキレるわな。
思いの外滑稽
物騒な原題から予想してたおどろおどろしい話ではなくて、意外と可愛らしい話やった。
話をちゃんと聞いてくれなかったり悪趣味やったり、他人やと許せる些細な欠点が自分の親やとなんでこんなにイラつくのか。そのくせ本人は欠点を直す気もない。
息子はザ・ティーンエイジャーってかんじで常に不満気。自分は周りとは違うって思い込んでいて、でも、やってることは恋人と遊んだりクスリやったり、どうみても普通の若者。
その2人の喧嘩やからまるでコント。でも実は母親の方は実は喧嘩中も普段も変わらず愛を表してるんよなあ。息子の方は素直になれずに感情を持て余してるけど。
その思春期に誰もが経験あるモヤモヤ、親子関係の滑稽さと普遍性?を上手く描いていて、洞察力の鋭さに驚いた。
印象的なのは、ドロッピングからのセックスシーンがめちゃくちゃ初々しくて鮮やかで美しかった。
てかこれ撮ったとき19歳ってもうわけわからん。末恐ろしい。
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