劇場公開日 2013年11月9日

「永遠に平行線の親子喧嘩」マイ・マザー せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5永遠に平行線の親子喧嘩

2020年6月10日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

17歳の思春期真っ只中のゲイの息子と母親2人の複雑な関係を描いた監督の自伝的な映画。
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この世には親と友達のような良い関係が築ける人間と、拗れて拗れまくって上手く会話ができない人間とわかれると思う。私は完全に後者の方なので、この主人公(監督)の気持ちがよく理解できる。
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なにか決定的にダメなことがあるわけじゃないし、親の育てかたが悪かったとも思ってない。劇中に出てくるように、親のことを誰かが殺そうとするならそいつを殺したくなるけど、親は世界で1番嫌いな存在でもある。親と仲良い人には理解できない感情なんだろうな(笑).
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10年前に撮ったこの映画では2人の和解の兆しが見えなかったけど、『ジョン・F・ドノヴァン』では和解をするシーンがあったから、母親との確執は『ジョン・F・ドノヴァン』で多少は昇華されたのかな。
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劇中にディカプリオへファンレターを送ってたっていうエピソードが出てきたり、主人公の部屋の壁にリバー・フェニックスのでかいポスターが貼ってあったり、最後の母親との昔の映像が『マイ・プライベート・アイダホ』を彷彿させるものだったり、『ジョン・F・ドノヴァン』への伏線があちこちにあって面白かった。
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19歳のグザヴィエ・ドラン監督、ここらから始まったんだなっていうのを見れて良かった。
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せつこん