「ひとりの男の成長物語」LIFE! チヌテさんの映画レビュー(感想・評価)
ひとりの男の成長物語
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前半の空想の連続は、観るのを断念しようかと思うほど幼稚で嫌いだった。
しかしその空想も、物語が進むにつれ無くなった。
なぜなら、写真家を探す旅に出て、空想よりも遥かに素晴らしいものを自分の目で見たからである。そして、その過程は、空想している暇も無いほど、現実世界で生きることに精一杯になる主人公を表している。
彼が10数年いたあの暗いネガ管理の部屋は、今までの彼の生活を象徴しており、リストラされたことは全く不幸なことではなく、部屋の外に出られるという、彼にとっては幸運なことだ。
旅に出たのも、彼が自発的に行ったことではないから、リストラという形で外に出ても、彼は新しいところでしっかりとやっていくだろう。
人事のヒゲ男に対しても、旅に出る前は対面するとすぐに空想に逃げてしまっていたが、面と向かって力強いことを言うまでになった。
表紙は、全くの予想外で感動した。
彼の仕事が初めて表に出て、日の目を見た。もう彼はあの暗い部屋から出られる男に成長したのだ。
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