「「人生」の目的だけでなく、素晴らしさを教えてくれる素敵な映画です」LIFE! もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
「人生」の目的だけでなく、素晴らしさを教えてくれる素敵な映画です
とっても素晴らしい映画でした‼︎
誰もが知っている世界でも有名なグラフ誌「LIFE」。読んだことはなくても、あのロゴとロバートキャパをはじめとした素晴らしい写真を掲載してきたことは周知の事実ですが、その「LIFE」の最終号を舞台にして、一人の男の人生が大きく動き、変わっていくそんな話です。
個人的にはオープニングからノックアウトです。
オープニングはLIFEにおいて、16年間ネガの管理をしてきたウォルターが、朝っぱらから、出会い系サイトでしょうか?一人の女性に足跡を残そうとして残せないところから始まります。お話のスタートとしては、ウォルターが同僚の女性に直接アプローチできず、出会い系サイトでアプローチを目論むほど引っ込み思案で奥手、さらには、ふとした拍子に突拍子もない妄想に移行する妄想癖の持ち主という、ウォルターのだめキャラクターを印象づけるスタートで始まりますが、このPCの下りから、駅に向かうところがオープニングに使われるのですが、このオープニングがまた、秀逸でした。
街並みの中に落書きのようにさりげなく現れる、道路の表示の中にスタイリッシュに現れるタイトルや副題…そこからカラフルな世界がパッと現れ、現実に…。このオープニングだけで、本当に入りました。
そして、その日はライフが買収され、LIFEはオンラインに移行…。その前に、大規模なリストラをするために、送り込まれた社長?のテッドとの出会い。この出会いも「エリートVS窓際」みたいな始まりで、分かり易さ満載でしたが、そんなウォルターはこの日が誕生日。映像を現像し続けて16年、どこにいるかもあったこともない写真家のショーンからプレゼントとネガが届きます。そして、そのネガの中でも25番が最高でウォルターへのプレゼントだと…。一方、休刊が決まったLIFEの最後を飾るのも、ショーンの勧めで25番なのですが、その肝心の25番がない…。ウォルターはわずかな手がかりをもとにショーンを探し出してこの25番のネガを手に入れる旅に…。
まずは、この過程でウォルターの妄想がちょいちょい入ってくるのですが、これがまた秀逸。とくに、上司のテッドとの荒唐無稽なバトルは本当に見応えとツッコミどころ満載‼︎さらには、このショーンを探す旅も二転三転感が半端ない。ですが、このショーンを探す過程の風景の素晴らしさもまた、この映画のみどころです。アイスランドの台地やアフガニスタン(だっけな⁇)の高地…ほんとうに素晴らしかったです。
ショーンのまであと僅かというところにたどり着きながらもニアミスで会えない…。そんな過程の酔いどれヘリからの海に落ちるシーンとかも好きなシーンですね。んなわけねーじゃん笑みたいな。
そんこんなで、ショーンに出会いネガのありかを聞き、社長にそのネガを届けると…。
この過程でウォルターが今の退屈な生活を送ることになったきっかけと、もともとなりたかった自分と…エピソードが明らかになりつつ、人生を開いていくと言う話なのですが、これがまた…。
とくに印象的だったのは、「世界を見よ、危険に立ち向かえ、壁の向こう側を見よ、 もっと近づいて、お互いを知れ、そして感じよ、それが人生の目的なのだから」という社訓。その中でなぜにこんな退屈な人間がいたのか…。でも真面目にコツコツ働くウォルターをショーンは信じていて、最終号の、ショーン曰く「最高の写真」はユニコーンでもなんでもなく、LIFEを作った人たちに捧げるというコメントと共に…もう、このラスト涙なくはいられません。
そして、ショーンが劇中、ゴーストキャットを待ち続け、それが現れた時にシャッターを押さない…そんな時に、ウォルターに「何故に?」と問われ、「自分の一番好きな瞬間はシャッターを押さず、その瞬間を楽しむんだ」的なコメント…。この刹那を大事にする感じもぐっときました。
人生って、本当に複雑だけど、真面目にコツコツやっていることが、自分ではわからないけど、人には認められることもあるということ、人生って、一瞬一瞬を大事にしなくちゃ楽しくないということ、人生は常に困難に挑戦して勝ち取るべきもの…いろんなメッセージをくれたこの映画に感謝です。
そして、オープニングに続きエンディングの作りも最高。余韻を残させるのがとっても上手なのがよかったです。というよりも、山を登り、日記を言葉変わりに進みながら…という映像もとってもよかったです。
人生って本当に素晴らしいし、誰の人生もしっかり歩めば間違えない!そんな事を感じさせてくれる幸せな映画でした。