「良かったけれど・・」LIFE! ハチミツ舐太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
良かったけれど・・
ベン・スティーラー監督作品は「トロピックサンダー」「リアリティーバイツ」を鑑賞したことがある程度。特にトロピックサンダーはかなり好きな作品だ。リアリティーバイツも嫌いではない。音楽が秀逸だったし。
ただ、今回の作品は、自分とは肌が合わなかったなと感じた。
原作は未読だが、もうちょっとコメディ要素を少なくしても良いのではと思うからだ。
妄想シーンが長く回数が多いので、観ていて少し混乱したなと。(自分が映画を観るのが下手なのかもしれないが。)何というか、妄想がここまで凄まじいと、主人公は、社会生活に支障をきたしているレベル?と感じてしまう程だったので。
まぁ、妄想するのは良いとして、序盤で都度、妄想世界に飛ぶのを描かれると、多いなと感じてしまうし、お話がそこで中断する訳なので、観ていてもどかしさを感じる事が多かった。好みの問題かもしれないが自分はあまり好きではなかった。
例えば、妄想世界に都度飛ぶのではなく、飛んでる主人公だけを客観的に映しているシーンがあっても良かったのではないかと感じた。
ちょっとクドかったなと。
とはいえ、映像は確かに美しい上、音楽も良かった。
特に、アイスランド?にて、スケボーだけで道路を滑り降りるシーンは、爽快感、開放感を感じられ、本当に良いシーンだと思う。ここはお気に入りのシーンだ。
ただ、その後火山が噴火する云々で、車に乗る際の、運転手との言葉が通じないという状況で生まれるコントのようなやり取りは、あまり好きではなかった。内容は面白いが、早く車で逃げた方が良いのではと、もどかしく思ってしまった。
と、要所要所で、良いなと感じるシーンの後で、照れ隠しのように入るコメディタッチのシーンが自分には、合わなかったので、この評価になった。
とは言え、全体の話としては良い構成だと感じるし、最後のLIFEマガジンの神髄というNO25の写真は確かに説得力のある写真だと思った。
財布を捨てた際に母親がチラっと観ている演出なんかも丁寧で良いし、映画自体のクオリティはかなり高いと思う。
最後に、ロスの空港でトッドに迎えに来てもらった後のやり取りは良かったなと。こういうの好きだな。