劇場公開日 2013年11月9日

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「この子たちを守りたくて夜職をはじめたのに」子宮に沈める 羊さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5この子たちを守りたくて夜職をはじめたのに

2025年3月29日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

ただ、子供たちと自分の生活を守りたいだけだったのに、夜職を始めたことによっていつしか母は、子を放棄して、女に戻ってしまった。

収入を得なければならず、仕事をしながら、資格の勉強に励んでいたけれど、急にそれがバカらしくなってしまったらしい。風邪を引いてしまった娘の看病のあいだ、窓からぼんやりと、どうってことないいつもの景色を眺めていた。

夜職をしながら、子を育て上げられる人もいると思うが、この母は、夫に急に捨てられた。浮気だろう。女としての欲求が充たされないまま捨てられてしまったので「別れた男との子供との幸せ」より「女としての自分の幸せ」をホストに求めてしまったのだろう。

実際の事件をもとに、この映画が作られたらしいので、Wikipediaでその事件のことについて読んでみた。この母は、子供が死んでいることを確認するや否や、ホストの元に戻り、ホテルで一泊過ごしたそうだ。

この作品のラストは、子に対して、謝罪の気持ちがあった。自分自身を責めていたりもした。こんなはずじゃなかったのに…って。元々は子煩悩。娘が描いた絵を褒めたり、一緒にてるてる坊主をベランダに吊るしたり、色鮮やかできれいなお弁当をつくったり。そんな、やさしくて、責任感のある母。だった。

法律のことはよくわからないけれど、浮気した側に対してのキツ〜イ制裁と、ひとりで育てなければならなくなった親に対しての優しい制度が整えばいいなと思った。お金だけでは解決できないこともあるかもしれないけれど、お金があれば大体のことは解決できてしまう世の中だから…。悲しいね。

女から母になったパートナーを受け止めることができず寂しがる男。一体どのくらいいるんだろう。小さい命、ちょっとでも目を離したらその灯はすぐ消える。一丁前の1人の男に構う余裕などない。寂しいなら輪に入れ。なぜ輪から出たがる。一緒に育児をして、思い出をつくればいいのに。今までとは違うしあわせが、すぐそばにあるのに。

羊
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