クスクス粒の秘密のレビュー・感想・評価
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チュニジアのダンスがサスペンスを含んで涙を誘う
親戚縁者、寄ってたかってクスクスを実に美味そうに食う人達。すき焼きか、カレーライスよりもっと美味そうにな、野菜いっぱいの料理を食しながら家庭の事情まで喋ってしまうのも味の内か。
行動的な娘(アフシア・エルジ)が、ひがんでただをこねる母親を、開店祝いのパーティーに誘う説得のシーンが圧巻だ。終盤、いつ果てるともなく踊りまくる彼女のチュニジアダンスはサスペンスを含んで涙を誘う。
ハリウッドでは絶対に作れない傑作だ。
こういう作品があっていい
脚本があってないような 苦労が絶えない移民の人々と生活模様
あえてドキュメント風に撮っているのが成功してる
地中海の向こう側の文化がエキゾチックでラストに向かって熱を帯びる・・・
クスクスはパリではその地の名物料理となっていた、美味しかったな〜(1980年代)
この作品に結果は蛇足
おいおい、なんちゅう終わり方。。
しかし、撮り方は一貫してドキュメントタッチだし、その終わり方も考えあってということは伝わる。
どこまでを見せるか。たぶん、あそこでこの作品で言いたいことは全部言ったってことだろう。
店の窮地を救おうとしている母娘は実の娘たちにその後受け入れられるだろう。(母はあれ、ホテルの食事を運んできたってこと?)
そして、ぱったり力尽きた感じの主人公でエンド。悲しいものがあるが、父は最後まであきらめず奮闘した、というそれが全てということだろう。この作品に結果は蛇足でしかないのかもしれない。
それにしても、ナチュラルすぎる演技は何?浮気された奥さんのキレ方、泣きながらよくあれだけベラベラと悪態つける、圧巻。。
前代未聞の歯切れの悪さ
喉の下らへんの渦が消えない。何だこの歯切れの悪さは。
「あー」とか「うー」とか雄叫びをあげてみたり、これでもかと言うほど伸びをしてみても、その渦が消えない。何なんだこの歯切れの悪さは。
クスクス粒が行方不明になってから、じれったさがひしひしと溜まっていく。あっという間に、レストランのスタッフ側の気持ちが私に乗り移ってくる。それはお客様第一主義の日本人なら特に感じてしまうじれったさという名のストレスだ。
そして、そう言うどんよりした最悪な状況を、晴れ晴れしい成功が、結果オーライと言わせてくれるのだろうというこちらの勝手な想定を、なんとも惨たらしく裏切ってくるのだ。それは、白黒のはっきりしない曖昧さによってだった。
そして同時に、私がどれ程までに、曖昧さに対する許容範囲が狭いかを知らされた気分だ。
これ程までに心地の悪い曖昧さがあるものか。
もし監督に出会ったとしたら、やってくれたね〜、って言いながら、肩を撫でたい。彼が倒れそうになるくらい少し強めの力を込めて。
クスクスが食べたくなる
料理が映画向けな感じになっていない、リアルな感じが個人的にはとても好印象でした。よくお祖母ちゃんが作ってくれたクスクスにそっくり。
カメラワークを素人的だと思う方もいるようですが、自分が実際にその場にいるように感じられて、これもまたリアルだと思いました。
出店のために色々な場所をたらい回しにされるシーン、キッチンの衛生の話で「フランスでは」と何度も強調するところに、この人物は「移民とその祖国の水準はフランスよりも低い」と思っているんだなと感じ、やるせなく思いました。
ロシア人のお嫁さんの、悲痛な訴えには、思わず涙が出ました。
曖昧で、少し悲しいエンディングでした。レストランは、開かれなかったのだろうと思います。
飽きてしまった
あるアラブ系移民一家のフランスでの生活を描いているのですが、話がフラットのまま続くのと、時間が長いので最後の方は集中力が続かず、飽きてしまいました。
ラストに向ってもう少し惹きつけられるストーリー展開だったら良かったと思います。
恐ろしく冗長的
素人編集のようなカット割りやカメラワーク
さして必要と思われないシーンが長すぎる。勿論人間模様として入れ込みたい意図はわからなくはないが、プロの映像監督の仕事は、如何に削っていくかだ。あまりなのでコメントしたが、ご覧頂いた方はどう思われただろうか
食事のシーンが汚らしい。顔の画額も一様でテレビ的な画額だし
まったく笑顔のない映画。
クスクス料理が鍵なのに、料理の接写もなく全体的に雑な収録な気がする
みんなあなたを愛してる
フランスのアラブ系移民の話という目新しさで観始めたが、直ぐにこれは誰にでも共感出来る普遍的な家族の物語だと気付く。
寡黙なスリマーヌに対し、家族の中心である前妻スアドの肝っ玉母さんぶり。
浮気者の長男マジドと不満を溜め込む嫁のジュリア。
出来れば両親によりを戻してほしいと思っている娘たちと彼女たちに見下されていると感じているラティファとリム母娘の関係が良い訳はなく、お互い陰では言いたいことを言っている。
しかし、それぞれの思惑はともかく、家族がスリマーヌに協力するのは、皆が彼を愛しているからだ。
日曜日のスアドの家での昼食会、ホテルの住人のミュージシャン達のお喋り、バイクを乗り回す悪ガキをヨロヨロと追いかけるスリマーヌ。怒りを爆発させるジュリア。
現実には、退屈な時間も、もう勘弁してくれという時間も都合良く終わってくれる訳ではない。
これらのシーンは少しずつ長いと感じるが、これがリアリティーを生んでいると思う。
レストランの窮地を救う為、アラブ風のダンスを披露するリムのシーンがとても印象的だが、特に目を奪われてしまうのは彼女のポッコリしたお腹だ。
リムを演じたアフシア・エルジは体重を増やしてこの役に臨んだそうだし、執拗に彼女のお腹を映していることからも、監督はどうしてもこの彼女の姿を撮りたかったのだろう。
いろいろな見方があるだろうし、監督の意図ははっきり分からないけれど、私には、アラブ系移民の新しい世代の、何としてもこの国で生きていくという強い意志、逞しさに感じられた。
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