「【”時には抗えない、だが・・。”老いたギャング三人の破天荒な一日を描いた哀愁漂うクライムコメディ。男たるもの、死ぬまで自由に生きたいモノである、と思ってしまった作品でもある。】」ミッドナイト・ガイズ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”時には抗えない、だが・・。”老いたギャング三人の破天荒な一日を描いた哀愁漂うクライムコメディ。男たるもの、死ぬまで自由に生きたいモノである、と思ってしまった作品でもある。】
ー 今作の主役28年、仲間を売らずに獄中に居たヴァルを演じたアル・パチーノ、彼を支え続けたドクを演じたクリストファー・ウォーケン、施設に入っていた凄腕ドライバー、ハーシュを演じたアラン・アーキンは、公開時70歳超えである。
流石名優、大したものである。-
■仲間の罪を被ったギャングのヴァルは、28年の刑期を終えて出所し、出迎えたドクを連れて娼館に行くが、勃起しないので薬屋に勝手に入り込んで、久方ぶりにスッキリ!
だがドクは、翌朝10時までにヴァルを消すよう息子を殺されたボスに命じられていた。
ドクはそれをヴァルに打ち明け、ふたりは仲間のハーシュを施設から連れ出して、一夜限りのハチャメチャを行うのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ヴァルが、出迎えたドク抱擁をするシーンから、この作品は面白いぞ!と確信する。
・アル・パチーノもクリストファー・ウォーケンも、確かに老いてはいるのだが、茶目っ気があり、実に若々しいのである。矢張り名優である。大したものである。
・そんな二人は仲間である元凄腕ドライバー、ハーシュを施設から連れ出し、止めてあったヤバい高級車を勝手に乗り回すシーンが、大変オカシク爽快である。
自動車の進化を知らないヴァルもハーシュも”鍵は何処に、アンだ?”と言い、ドクに”ブレーキを踏んで、ボタンを押すんだ。”と教えられ、ハーシュに至っては道路を猛スピードでブッ飛ばすのである。当然、パトロールカーに追われるが、高速スピンターンで簡単にまくのである。
・高級車のトランクに閉じこめられていた女、シルヴィア(ヴァネッサ・フェルリト)に事情を聞いて、お返しに協力したり、ハーシュも娼館に連れて行って、久方ぶりにスッキリさせたり。クスクス可笑しい。
・けれども、はしゃぎ過ぎたハーシュは車の運転席で事切れていて、二人は彼を埋葬し、娘にもキチンと伝えて上げるのである。
■ドクは、ボスの言いつけを守らずに、大金を行きつけのディナーで働く孫娘に遺し、ヴァルと共に、ボスのいるアジトに銃弾を撃ち込みつつ、近付いて行くのである。
<今作は、名優三人が老いたギャングをお茶目に演じる、哀愁漂うクライムコメディである。男たるもの、死ぬまで自由に生きたいモノである、と思ってしまった作品でもある。>