ヨコハマ物語のレビュー・感想・評価
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【”誰かが待つ家があるって良いな。家って、凄いよ。”血縁なき人たちがひょんなことから一つ屋根の下に家族のように住み、心を癒して再出発する物語。】
■横浜スタジアムのグランドキーパーのオジサン(奥田瑛二)は定年退職の日に家に帰ると、長年連れ添った妻が(市毛良枝)倒れている。
独りで寂しく、大きな家に住み始めたオジサン。
だが、偶然出会った、アマチュアバンドのマネージャー・ナナミ(北乃きい)と出会い、家のない彼女に強引に家に住み込まれる。
そして、ナナミは次々に、孤独な人たちをオジサンの広い家に連れて来る。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・観ていて、心が温かくなる映画である。オジサンの家で住むことになったのは、
1.両親と上手く行かず、幼い男の子を連れたシングルマザー
2.大学院出だが、不器用な生き方しか出来ず孤独な
3.歌がとてもうまいが、アルバイト先で客と喧嘩してしまったシンガー
といった個性豊かな人達である。
■この人達がオジサンの家で、シェアハウスの住人のように暮らし、一緒に食事を摂って話をする中で、各人が抱えていた孤独な心を癒し、再出発していくのである。
1.妻に不愛想だったオジサンとそりが合わなかった長男が笑顔で皆と接している父の顔を見て心を絆される姿。
2.シングルマザーは皆の声援の元、両親と和解して嬉しそうにオジサンの家に帰ってきたり。
3.住宅会社の営業ウーマンは、我儘な客に”家の大切さ”をブチマケ、逆にそれが成功したり。
4.ナナミもシンガーと出会った事で、再びバンドのマネージャーとして仕事を始める姿など
<ラストで、オジサンが生前、余り話もしなかった心優しき妻が定年退職のお祝いに買っていたサーフボードを、知らずに廃品回収に出してしまうも、妻が残していた手紙で気付きナナミと一緒に、全力で走って取り返す様など。
ベタではあるが、私は今作の様な作品が好きなのである。>
見ていて、ありそうもない話を 結局いい話にまでしてしまった監督と脚本家は なかなかの力量があったってことなのかもしれない。
動画配信で映画「ヨコハマ物語」を見た。
劇場公開日 2013年11月16日
2013年製作/120分/G/日本
配給:オフィスキタ
妻(市毛良枝)を突然亡くした奥田瑛二宅に、
厚かましいバンドマネージャー北乃きいが転がりこんできた。
北乃きいは奥田瑛二宅を勝手にシェアハウスにしてしまう。
そこに3人の訳アリの女性たちが次々に集まってくる。
奥田瑛二63才
市毛良枝63才
北乃きい22才
斉藤洋介62才
見ていて、ありそうもない話を
結局いい話にまでしてしまった監督と脚本家は
なかなかの力量があったってことなのかもしれない。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
本物の中澤やん
ちょっとクセのある北乃きいが、独りになった奥田瑛二のところに転がり込み、さらに女性たちが住み始めてシェアハウス生活が始まる。その後は、「家族」をいろんな側面から切り取って描いており、そのメッセージ性は心に響いた。
奥田瑛二はかっこ悪い役をやってもかっこいい。
印象に残ったシーンは、説教をして不動産の契約が取れたところ。キレてほしいところでキレてくれた感じで、痛快!
さて、メッセージ性と話の軸がぶれないところは良いのだが、それぞれのエピソードが少しご都合主義で唐突なところがあったのが残念。レストランに歌って入る子が、後にヴォーカルとしてバンドに加わるところなんか、伏線と言うよりは、その場で展開が読めてしまった。
なお、妻子持ちの僕には痛すぎるシーンがいくつも。
家庭を顧みなくちゃいけないな。
善人家主とシェアメイト
訳ありの悩みをかかえる女性たちがお人よしの家主やシェアメイトとの心の交流を通して本物の家族以上の絆を結び、強く明るくリブートしてゆくお話。喜多監督は吉行和子さんで女性ばかりの海辺の「シェアハウス」物語を撮ってみて奥田瑛二さんで膨らませてみたかったのだろう。
奥田さんも怪しいフェロモンと毒気を封印してすこぶる善い人を好演、北乃きいさんの狂言回し、いつも本音全開ぶりがハラハラするも心地よい。子役の星流ちゃんも上手い、すごいキャスティングですね。
音楽はいまいちあか抜けなかったが雰囲気は出ていた、秀逸なのは編集、思い入れのたっぷりなシーンのカットの間合いが絶妙、あと1秒長かったから臭くなるところを早めに切り上げるので嫌味が残らないプロの仕事を見た気がします。
比べるのもどうかと思うが是枝監督の「万引き家族」より澄み切った青空のような爽やかさで疑似家族を描いている点では社会的インパクトは薄いものの遥かに好ましい。横浜という街は実はいろんな顔を持っている、元町や山手のハイカラな洒落た顔の裏には野毛や伊勢佐木町の如何わしさ、昔の日活映画によく出てきたメリケン波止場の暴力の臭いもあるのだが本作ではあくまでも綺麗・綺麗な顔に徹している、だから「ヨコハマ物語」なのかも知れない。
ヨコハマから希望の光へ…
私の生まれ故郷横浜を舞台にした人間ドラマ。
全編を通して、故郷横浜の風景をバックにして描かれてるのが、とても良かった。
貧乏している、音楽バンドマネージャー、定年迎えたばかりの初老の男性他、四人のシェアハウスでの日常を描き、お互いを助け合いながら、希望を見出だして行く姿に感動。
とても心に染みる物語です。
一緒に帰ろう
奥田英司のまわりに訳ありの女子が一人また一人と居候してくる。
彼のさりげないコミュニケーションの
取り方が彼女達にはちょうどいい。
人の縁が、欠けていた彼女達の心の
隙間を埋めていき、生きる活力源に
なっていくのが心地いいです。
孤独感に包まれる時間に本作は、
ビタミンになります。
こういう暮らし方もありかなーと
気づかされる作品です。
帰るところがあれば人は安心できる。
現実感ないところもあるけど、
作品としては心地いいので
リラックスしたいときにちょうど
いいです。
おすすめ。
死んだ後の命日より、生きてる内の記念日
本サイトで一件の投稿も無いのでどんなに見向きもされない作品かと思ったら、なかなか良かった。
定年退職の日に妻を亡くした田辺。
四十九日の墓参り中、行き倒れ寸前のアマチュアバンドのマネージャー・七海を助ける。
強引な七海の提案で共同生活を送る事に。
やがて人生に行き詰まった若い女たちも転がり込んでくる…。
ツッコミ所、ご都合主義満載。
おいおい、幾ら何でも…、そりゃないだろ…などなど、演出や脚本の不味さも目立つ。
(最たるは、何故に若い女ばかり集まる? せめて男一人くらい入れたっていいようなものを…)
しかし見てたら、こんな共同生活も何かいいなぁ、と思ったりしてしまった。
見ず知らずの他人同士。
ひょんな事から縁あって一つ屋根の下で一緒に暮らす内、擬似家族のような交流が育まれていく。
その交流が、各々の人生を癒し、新たな一歩を踏み出させる。
田辺にとってもその交流は、亡き妻の献身を思い出させる。
温かく、待ってくれる、帰る場所がある、かけがえのない家。
ちょっとベタ過ぎる演技の奥田瑛二だが、とあるシーンで流した涙が自然だった。
清純派のイメージ強い北乃きいが、図々しくて生意気でズケズケ物言いつつ、男前な人情を感じさせるヒロインを快演。
シングルマザー、無愛想なOL…共同生活を送る女たちも適材適所。
夫に素っ気なくされても無償の愛情を注ぐ亡き妻・市毛良枝も出番は少ないが温かい好演。
横浜探訪のような街並みも魅力。
とても印象に残った台詞が。
「死んだ後の命日より、生きてる内の記念日」
覚えとこう。
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