「「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」を観たら、こっちも観てね」フォックスキャッチャー しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」を観たら、こっちも観てね
まず、配給会社に拍手。
この映画、ごく一部の人間には今年度最大の話題作である「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」と同時期に公開だなんて、よくやったものだ。
アメリカ3大財閥のデュポン家の御曹司、ジョン・デュポンの事件を得映画化。ネタは割れているが、ネタを知らずに鑑賞。
その前に「フィフティ・」を観ていたのだが、とにかく、よく似ている。
チャニング・テイタムの金メダリスト・レスラーは3年前に金メダルをとっても、クソガキ相手の20ドルの講演で、車の中でジャンクフードを食べるなど、不遇の生活を送っている。
アメリカではレスリングは伝統ある競技だが、オリンピックにおける金メダルの地位は、優遇されているとは言えない。それでもこつこつと次の大会へと準備をしている。最初の30分は音楽が流れず、ただただ、テイタムをカメラは舐め回す。
この映画、とにかく、静かに、黙々と、ねっちょりと、テイタムとその兄ラファロとのまぐ、じゃなかった、レッスルを描く。
この二人のカラダがスゴイ。テイタムは脱ぐ映画が多いだが、今回は頭が悪い(いつもか)筋肉バカの説得力がすごい。そして、ラファロもコーチ体型がすごい。CGじゃないのか、と思うほど。
そしてこの二人に熱視線を送るのが、カレル演じるデュポン。このデュポンが、まずテイタムに近づくのだが、静かな展開と、カレルの言葉少なな、ねっとりしたしゃべり方のせいで、いつ鞭を繰り出すのか、どきどきして1時間は緊張しっぱなしである。
このデュポン。アメリカでは当然有名人なので、この人物については、ある程度、知っている前提で描かれるので、日本人にとっては、よりミステリアスに見える。たまーにおかしな行動をするが、演出は極めて静かな狂気、として描く。この男、財をはたいて、レスリング練習場をつくり、テイタムを囲うのだ。
テイタムとのヘリでの、早口言葉の言葉攻めが楽しい。この言葉攻め、結局本番は描かれない。
途中の優勝祝賀会には、ボウイの「FAME」。
・・・・狙い過ぎである。
対するラファロも負けじと、テイタムとその後も絡む、絡む。テイタムは、カレルがラファロのことが好きすぎるために、ジェラシー込々でやけ食いしたりと、もうヤリ放題。
おまけに汚物プレイのおまけつきである。
見せ場のオンパレードの2時間強。面白い
追記
皆さんにはどうでもいいことだが、オレにその気はない。悪しからず。