劇場公開日 2013年11月8日

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「稚拙なシチュエーションスリラー」JUDGE ジャッジ といぼさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0稚拙なシチュエーションスリラー

2020年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

久々にこんなに酷い映画を観た…。

密室に閉じ込められた7人の男女がデスゲームに参加させられるという内容のストーリー。瀬戸康史や有村架純、佐藤二郎など、現在も第一線で活躍する俳優も出演している。

こういう密室殺し合いシチュエーションスリラーは古今東西例を挙げればきりがありませんが、驚くほどにハズレ映画の確率が高いジャンルです。「ソウ」などの成功例ももちろんありますが、極めて稀少な存在と言えます。

そして今作「JUDGE」もその例に漏れず、非常にクオリティの低い作品です。
登場人物たちの行動理由もいまいち理解ができませんし、過去の罪が公開されるのが1ターンにつき一人だけというルールも不公平感があります。駆け引きや騙し合いも無く、盛り上がり所も無く、大きな事件も特に無い。

私がこの映画に関して一番気に入らないのは、誰が死ぬかが容易に予想できてしまうことです。この手のシチュエーションスリラーは「いつ誰が死ぬのか分からない」というハラハラドキドキを楽しむものですが、この作品は「こいつが次死ぬな」「やっぱりな」が連続するだけで全くハラハラドキドキを感じません。シチュエーションスリラーの良さが全く感じられません。

この映画のページにある、映画のポスターを見てみてください。瀬戸康史・有村架純・佐藤二郎が被り物を外して顔を出しているのに、他の登場人物は被り物をしていて顔が分かりません。このセンスの無いポスターからも、「この三人は最後まで生き残りますよ」というのがありありと伝わってきます。他の役者さんはポスターでは顔も出せないし作中でも割りと早い段階で死ぬので、人気俳優である3人への露骨な忖度を感じます。本当にこういう大人の事情が見えちゃうと白けるのでやめていただきたい。

本当に、色々と残念な映画でした。人にはオススメできません。

といぼ:レビューが長い人