「猟奇的で悲劇的で最高で最低」渇き。 林檎さんの映画レビュー(感想・評価)
猟奇的で悲劇的で最高で最低
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一言で表すなら「衝撃」。
けたたましい音楽をバックに、過去や現在の情景をストロボのように映し出す手法。遠慮容赦なく見せつける人間の狂気。その中心にいるはずの加奈子は、悪魔そのもののように残酷かつ純粋で、そして「過去・回想」としてしか登場しない。
登場人物みんなが狂っていて、父親が過去の娘を追い求めていくにつれて、その狂気が線でつながっていく。この「バラバラだった点が線でつながる」ストーリーは、確かに『告白』に通ずるところがある。かつ音楽や映像などの表現方法は、どこか『時計じかけのオレンジ』を彷彿させた。
たくさんの人が書いているように、これは誰かにおススメできるストーリーではない。しかし自分にとっては、演技・演出・音楽・結末の全てにおいて納得がいく、最低で最高の作品だった。
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