「完走してくれ」渇き。 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
完走してくれ
その残虐表現がエキセントリックと言うことで、
話題になったら見てしまうタチです。
件の残虐表現ですが、確かに露骨な描写が多かった。
(死体処理袋の不良生徒の腹、タイマンでのオダジョーの手etc)
その描写の善し悪しは別に置いておいて、
その表現としては映画の中でしかできないモノです。
これぞエンターテインメント。
話は娘の加奈子(小松)をひたすら親父(役所)が捜す話。
その一点に向かっての話の推進力は、先の残酷シーンも相まって、
かなりのスピード感があり、映像も話もワクワクして見入ってしまう。
この、誰かを捜していくウチにいろんな事件が起こり、
その誰かの人間性まで構築されていく話、何かに似てると思ったが、
漫画で浦沢直樹の「MONSTER」に、話の展開が似てる気がした。
とにかくもう夢中で見てました…途中までは。
元部下の刑事(妻夫木)が藤島を張ってるあたりから、話がボンヤリし始め、
加奈子の交友関係と失踪理由の説明が曖昧になり、
オダジョーは良かったが、役の魅力が場面が少なすぎて伝わってこない。
(ここでの妻夫木の行動も不可解)
でもまあ初速より段々落ちましたが、ラストまでスピード感有りました。
でもこのラスト、要は加奈子の行方ですが、この締め方は何?
しかも最後、頼む!これで終わるなよ、と祈ってたらスタッフロール開始。
ラストシーンはスピードも話も何もなかった。
間延びしてから終息までは、短いが長い、何言ってんだ?
役所広司は頑張ってると思うのだが、
ろくでなしの親父役としては少し物足りない。
台詞での悪態も「この、クソ○○がぁ!」ばかりで捻りが無い。
妻夫木は悪性を秘めている役なので、
アップで細かい演技とか見たかった。
あと、ジョーだかチョーだか、黒幕の大物、内田裕也じゃないよね。
女性陣は総じて良かったです。小松菜奈の眉毛はずっと気になった。