銀の匙 Silver Spoonのレビュー・感想・評価
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ほぼ原作どおりに、すごくうまくまとめてあるけれど、この作品は細かいところを端折ってはいけないと思う。
ほぼ原作どおりに、すごくうまくまとめてあるので感心した。
でも、ストーリー重視で、あまりにもうまくまとまりすぎていて、原作を読んでいる人には退屈かもしれない。
読んでない人はいいかもしれないけど、読んでいる人には完全にネタバレ状態で、きびしい。
実写化されたキャラクターを見てみたいという気持ちもあるけど、合っているのは富士先生役の吹石さん(なんとなく胸や腰のあたりが・・・)くらいで、他の人はいまいち合ってない。
合っていないのだけれど、驚いたのは黒木華さん。
最初はまったく気づかなかったのだけれど、よく見ると黒木華さん(”小さいおうち”のタキさん)だった。
この人やっぱりすごい。原作のキャラのイメージには合っていないのだけれど、それなりに映像に溶け込んでいて、まったく違和感がない。
この人なら、どんな役でも、それなりにできるような気がした。
でも、この作品の場合、ストーリーやキャラクターより細かいところを重視してほしかった。
農業や酪農のことなど、普通の人は知らないし、ましてや農業高校、しかも北海道のことなど、行った人でなければわからない。
すごく身近な食料のことなのに、まったく知らなかったので、その奥深さや、独特の世界観に驚く。
その辺のところが面白いところなのに、尺があるのでしかたないかもしれないけど、ストーリー重視で、その辺のところがカットされているのが残念でした。
よく考えてみると、普通、当たり前と思っていることでも、当たり前のことなど一つもない。
毎日食べる食料だって、スーパーに行けば、当然のように買えるけれど、けっして当たり前というわけではない。
いろんな人々のたいへんな仕事と、他の生物の犠牲の上で、そこにあるものである。
普段はそんなこと考えもしないけど、あだやおろそかにできないものである。
映画とは関係ないけれど、同じように、毎日飲む水道水だって、普通の人は蛇口をひねれば出ると思っているだろうけど、けっして当たり前ではない。
そのルートや設備を作る人の苦労はもちろんのこと、そのシステムを毎日管理する人や、日々水質を調べ、検査している人がいることで成り立っている。
そういう人の仕事や苦労、他の生物の犠牲に感謝しながら、食べたり飲んだりするべきだと気づかせてくれる作品でした。
でも、他の国の人はわからないけど、大多数の日本人は”銀の匙”持って生れてきていない思う。(そもそも食料自給できないし・・・)
どちらかというと”地獄の食事”の長いSpoon(匙)に近い。
そのまま”地獄の食事”をするなら、どうしようもないことになりそうが気がする。
原作を上手く整理してまとまってる
原作マンガは未読だが、アニメ化されたテレビの方は見ていた『銀の匙』の実写映画化。マンガ『はじまりのはる』と同じように、農業高校・酪農高校「あるある」を描いた作品。
アニメでは、もっと淡々と時間をかけて丁寧に「あるある」を描いていたが、映画化に際して、割りと上手く整理してまとめたと思う(まぁ原作未読で断言できないのだけど……)。経済動物を「生産」する現場の厳しさ。それは、命を喰うことでもあり、営農の困難さでもある。そんな現実に向き合いながら成長する主人公の姿は、それなりに表現できていた。
『さんかく』『麦子さんと』の吉田恵輔監督は、まだまだ絶賛するレベルではないが、彼の描く思春期成長物語は、今後も期待してみたい。
残念
駄作中の駄作
夢は無いけど、今出来る事はある
今年5月に公開された「WOOD JOB! 神去なあなあ日常」は珍しい林業ムービーだったが、こちらも珍しい酪農ムービー。
荒川弘のベストセラーコミックの映画化。
数々の賞に輝いた原作は知っていたものの、毎度の事ながら未読。
劇場公開時はさほど興味沸かずレンタルになってからでいいやと思って実際見てみたら、これがなかなかの好編!
主人公の成長、友情…青春映画の王道。
知ってるようで知らない酪農の世界。見る側も主人公目線になり、一緒に酪農世界を知っていく。
ちょっとのエッチと笑いと感動を織り交ぜ、後味良い爽やかな作品に仕上がっている。
酪農世界の厳しさも突き付ける。
情が移った“豚丼”に出荷の時が近付く。“経済動物”と分かってた筈なのに、割り切れない気持ち。
豚の解体シーンは一転してシリアスなドキュメンタリーのよう。
酪農家の借金苦、経済事情…。
酪農経験が無い自分が言っても説得力無いが、酪農はつらいよ。
乳が出ない、卵が産めない…など、落第動物は食肉加工される。
受験レースに敗れ、逃げるようにこの酪農高校に来た主人公・八軒にとってはまるで自分のよう。
しかし、逃げを負けと感じていた八軒が、逃げてきたこの場で、自分に今出来る事を見出していく…。
八軒を演じた中島健人がジャニーズなのは知っていたが(何てグループ名かはイマイチ知らんけど)、オーラを消してへなちょこ青年になりきっている。
ヒロイン、アキ役の広瀬アリスが可愛い。10年前の長澤まさみを思い出した。
市川知宏、黒木華(金持ち農家の高飛車娘!)…若手キャストが伸び伸びと好演。
中村獅童、上島竜平、吹石一恵、哀川翔、竹内力ら個性派がしっかりサポート。
原作未読の者でも展開の早さや大分端折ってるなというのは感じたが、クライマックスのばん馬レースまで心地良く見れた。
若ければ、まだ夢は無いかもしれない。
でも、何か出来る事はある。
青春って、いいね。
見終わって、監督が吉田恵輔である事を思い出した。
この人、意外にも職人!?
逃げた先には
意外に…
意外に泣けた
原作未読
原作ファンには不評のようだが・・・
劇中の時間経過に比して内容が濃いような印象もあるが、映画としてみれば許容範囲か。また、生徒たちが立派過ぎじゃないのかとも思えるものの(帯広農業出身、優秀とは聞くが)、まぁまぁ楽しめた。
ただ、農業、一般家庭育ちには敷居が高い?新規参入が難しい印象ではある。
気になる点
1.ライバルのお嬢様が如何にも漫画的(原作が漫画なだけに)・・・北海道の田舎に、あんなお嬢様がいるとは思えないのだが・・・黒木華の演技に文句はないものの。
2.ばんえい競馬もどきの催し物、時間的に難しいような。競技場の造成がそもそも人手不足は否めないし(農業土木科があるなら、その辺の科の活躍も欲しかった気も。視点が普通科的?)、他校も呼ぶには時間的に疑問が残る。
3.破産する駒場牧場、クルマが立派過ぎでは?借金のカタならクルマが一番高く売れそう。
4.個人的に竹内力と吹石一恵が苦手だが(劇中でも浮いた感じ)、原作に沿っているようなので・・・
その他
畜産では避けて通れない、と殺シーンを何となくぼかしているのは良かったと思う。正直、リアルには見たくないので(と殺から解体までの流れはつかめた)。エンドロールで言い訳めいたことを書かなければならないのは、時代の趨勢か。
楽しめて考えさせられる
たまにはホッとする映画を
吉田恵輔が監督である必要ある?
早すぎる
正直あんまりだった
原作の良さである『時間経過に伴う成長/変化』は無く、要素を摘み食いしたダイジェスト作品でした。
酷かった。
原作の「イイ所」と思しき部分の嫌な摘み食い。
何となく「銀の匙 Silver Spoon」が分かった気になるダイジェスト作品でした。
その過程で原作の良い部分が全て無くなっていました。
原作の良さとは。
八軒の大蝦夷農業高校生活を『時間を掛けて』描いている点である、と思っています。
一見何も起きていないような日常の描写がありつつ、少しずつ登場人物たちが成長する。
八軒が時間をかけて悩み抜いて不器用な立ち回りをしつつ周りと理解を重ねて成長していく。
その過程を楽しみ、全ての登場人物たちに愛着を深めていく。
この『時間を掛けて』という点が非常に重要な作品であると。
で、本作。
八軒の大蝦夷農業高校入学から始まり、豚丼、乗馬部、夏休みバイト、石釜造り、駒場農場の顛末、学園祭までを描いています。
…正直詰め込み過ぎ。
見せ場を学園祭のばんえい競馬に持っていきたかった作り手側の思惑は分からなくはないですが。
そこまでの話のテンポがあまりに早く、誰にも(八軒にも)感情移入が出来ません。
原作の良さが台無し。
111分に無理矢理詰め込んだ結果。
流れる映像自体の箍も緩んでおり設定ガタガタ。
駒場農場の顛末の際に残された家族が乗る車 !!
ピッカピカの新車、ファミリーカー。
借金抱えて愛しの牛売って。人間様が乗るのは新車かい!!
あそこで出すべきは泥まみれのハイエースか軽トラだろうが。
そういう観る側への配慮に欠けた作品でした。
豚の屠殺場面等も変に隠さないでキチンと見せて欲しかった。
あと細かい点なのですが…食堂の前に飾ってある「銀の匙」の向きが毎回変わるのは何か意味があるんでしょうか?
説明なく表裏が引っ繰り返るので嫌な違和感を覚えていました。
ただ本作唯一の良かった点。
それは集めた俳優が原作の絵に似ていた点。
富士先生、常盤、タマ子の集めてきた感は唯一作り手の誠意を感じる部分でした。
中島先生やアキの家族はガッカリしたけど。
あと副ぶちょーの取り扱いは本当にガッカリしました。
正直111分あれば原作既刊11巻の半分くらいは読めるはず。
本作をキチンと楽しみたい方は、まずは漫画喫茶に行くことを推奨します。
「銀の匙」を受動的に上辺だけ知りたい方のみ。
オススメです。
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