銀の匙 Silver Spoonのレビュー・感想・評価
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何これ……?
原作ファンなので、とりあえず観てみるか、と、過度な期待はしないで観たけど、予想以上に期待外れ。
いきなり重い場面から始まっておきながら、説明不足だし、その伏線も回収できていないから、何だったのアレ?感覚が半端ない。とにかく重要なエピソードがことごとく省かれてるから、成長物語にもなっていないし、何故この流れで八軒があんな自信満々?な違和感がスゴイ。原作読んでない人はもっと奇妙に感じるんじゃないかなぁ。
級友や先生方は、ビジュアルの部分では頑張ってると思うけど、それだけ。原作の個性豊かなキャラクター、誰ひとり活かしていない。あんな扱いなら「ふくぶちょー」必要ないんじゃ……? 八軒の親でさえ、登場しなくても良かったんじゃ……と思う。
わざとなんだろうけど、原作と少しずつ変えているのが、ことごとくマイナス。例えば、牛乳ぶちまけとバイト料のエピソード、台詞を言わせる人物をわざわざ変えた意味がわからん。原作の方がはるかに伝わってくる。まぁ、キャラ設定が甘いから、同じ人に言わせても同じだっただろうけど。
映画の尺にあの原作を纏めようとするから無理があるのは分かる。原作で伝わってくる様々なメッセージのうち、いくつかを取り出して強く伝えようとしたんだろうけど、それなら原作ものじゃなくてオリジナルでやれば?って思う。トサツ場シーンなんか、あんなに強くする必要ないじゃん。
ちゃんと笑えるシーンがいくつかは在ったので、それだけが救い。
原作知らない人の中には、わりと高評価の人もいるみたいなので、これを機に原作を読んでほしい、と思う。それだけ。
●経済動物とのつきあい方
意外とグッときた。なかなか深い。
原作読んでない者勝ちか。
経済動物。なるほど。
商売上はそう割り切るしかない。
情をかけるとロクなことがない。
どう折り合いをつけるか。
一方、人は逃げ道のない経済動物とは違う。
生きるための逃げは、あり。
逃げた先で、どうするか。
北海道開拓民の血。
「外国の言い伝えでは、銀の匙をもって生まれた子は、生涯、食うに困らない。」
「そうか。農家は食いっぱぐれないですもんね」
「そう願いたいもんですね」
深い。
農家の倅と、将来像が描けない主人公。
逆にいえば、将来は自分次第で自由に描ける。
なかなか刺さるセリフといい展開だっただけに、ラストが残念。
校長先生はなぜ、銀のスプーンでなく、わざわざ匙と言い換えたんだろ。
ここだけズレた。尺がなかったんだろか。
主役やベテランはもちろん、脇をかためる市川知宏、安田カナの存在感。
彼らの今後が楽しみだ。
あなどっていた
空気が美味しそう
60点
考えること
私は八軒のように高校への進学を決めなかった。むしろ真逆。
八軒は突然放り投げられた環境でさまざまな経験を積み、様々な感情とかいろんなものを学ぶ。とてもうらやましい。
それくらいの柔軟性が自分にもほしいし、もっと自分と見つめあっていろんなことをやってみてこれからの人生の糧にしたいと強く思った。
農業高校を扱っている作品とだけあって、確かに経済動物との線引きだったり、実際に私たちが生きていくために食べているものだったりと食に関するテーマでも見れる面白い作品だと思った。
けれど、全体的にメインとなっていたのは八軒含む高校生たちの悩みなどだったのかなぁと思う。
同世代の私が見ると今、ちょうどこんな気持ちかもしれないと気づかせてくれる。自分と向き合い、外の世界と向き合いながら自分の生きる道を見つける私たちにぴったりの作品である。
個人的に、自分も寮住まいなので主演の中島健人君が寮の中でクロックスを履いていることにはなぜか感動と興奮をしていたし、なによりご飯がおいしそうでうらやましい。
命をもらっている
経済動物とペットの線引きは難しい
酪農の現実を、ユーモラスな青春像を通して知る
全然ダメ。
凄くいいな〜のほほんと見れる〜て感じで好きでした。 家畜と人間とを...
農業のこと知らなかったって改めて思いました。
経済動物って思いながらも、動物として接して世話している農業の人たちの感覚って素晴らしいなって思いました。
そして、いつも食べさせてもらってる動物や食物、それを世話している皆さんに感謝しなきゃなぁって思いました。
実際に農業やってる人たちや原作知ってる人たちから見たらツッコミ所があるかもしれないけど、少なくとも農業について興味は出ました。
あとキャストが良かったと思いました。どの役も合ってたかと。
校長先生役が上島竜兵でビックリしたけど、雰囲気すごく良かった。
そして、Sexy Zoneの中島健人くん…TVで見た時に「セクシー○○」とか言ってて、なんじゃこのアイドル?!って正直思ってましたが(笑)、この映画では八軒くん合ってると思うし、応援したくなりました。
ほぼ原作どおりに、すごくうまくまとめてあるけれど、この作品は細かいところを端折ってはいけないと思う。
ほぼ原作どおりに、すごくうまくまとめてあるので感心した。
でも、ストーリー重視で、あまりにもうまくまとまりすぎていて、原作を読んでいる人には退屈かもしれない。
読んでない人はいいかもしれないけど、読んでいる人には完全にネタバレ状態で、きびしい。
実写化されたキャラクターを見てみたいという気持ちもあるけど、合っているのは富士先生役の吹石さん(なんとなく胸や腰のあたりが・・・)くらいで、他の人はいまいち合ってない。
合っていないのだけれど、驚いたのは黒木華さん。
最初はまったく気づかなかったのだけれど、よく見ると黒木華さん(”小さいおうち”のタキさん)だった。
この人やっぱりすごい。原作のキャラのイメージには合っていないのだけれど、それなりに映像に溶け込んでいて、まったく違和感がない。
この人なら、どんな役でも、それなりにできるような気がした。
でも、この作品の場合、ストーリーやキャラクターより細かいところを重視してほしかった。
農業や酪農のことなど、普通の人は知らないし、ましてや農業高校、しかも北海道のことなど、行った人でなければわからない。
すごく身近な食料のことなのに、まったく知らなかったので、その奥深さや、独特の世界観に驚く。
その辺のところが面白いところなのに、尺があるのでしかたないかもしれないけど、ストーリー重視で、その辺のところがカットされているのが残念でした。
よく考えてみると、普通、当たり前と思っていることでも、当たり前のことなど一つもない。
毎日食べる食料だって、スーパーに行けば、当然のように買えるけれど、けっして当たり前というわけではない。
いろんな人々のたいへんな仕事と、他の生物の犠牲の上で、そこにあるものである。
普段はそんなこと考えもしないけど、あだやおろそかにできないものである。
映画とは関係ないけれど、同じように、毎日飲む水道水だって、普通の人は蛇口をひねれば出ると思っているだろうけど、けっして当たり前ではない。
そのルートや設備を作る人の苦労はもちろんのこと、そのシステムを毎日管理する人や、日々水質を調べ、検査している人がいることで成り立っている。
そういう人の仕事や苦労、他の生物の犠牲に感謝しながら、食べたり飲んだりするべきだと気づかせてくれる作品でした。
でも、他の国の人はわからないけど、大多数の日本人は”銀の匙”持って生れてきていない思う。(そもそも食料自給できないし・・・)
どちらかというと”地獄の食事”の長いSpoon(匙)に近い。
そのまま”地獄の食事”をするなら、どうしようもないことになりそうが気がする。
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