「篠原有司男氏のNYの夫婦生活」キューティー&ボクサー M.Joeさんの映画レビュー(感想・評価)
篠原有司男氏のNYの夫婦生活
1989年に開館した広島市現代美術館。25周年を迎える。
開館当時衝撃的だった作品が、篠原有司男氏のオートバイだった。ニューヨークのゴミで製作された大きな力強い作品で大都会の混沌さを表していた。絵画もあった。
その篠原氏と奥さんの二人の最近の映像を描いたドキュメンタリー。二人の出合いは41歳と19歳の時というから22歳の歳の差があり、篠原氏は80歳の誕生日を迎えるというから、約40年一緒に生活を共にしていることになる。
この手のドキュメンタリーは、普通の夫婦のありのままの日常を描き、飾らないといえばそれでいいが、夫のだらしなさを奥さんが叱咤しているという、よくある夫婦の姿である。あの衝撃的な芸術はどのようにしてできたのかなど、真面目なものは描かれてない。
この映画は、アル中で芸術家でニューヨークに長年住む夫婦で子どももおり、ケンカしながらも好きなことをやりながら、それでも愛している夫婦を描いた作品である。
篠原氏の奥さんによる夫婦の歴史を描いた絵画と、篠原氏の力強い作品の個展がニューヨークで開催される場面はとても刺激的だった。観客の声をもっと聞きたかった。それと二人の交友関係もいろいろとあるだろうに、そのあたりも欲しかった。どのようにしてあの作品は出来上がってきたのか。
20140208@サロンシネマ
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