劇場公開日 2014年1月31日

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「カジノ利権と70年代音楽と。」アメリカン・ハッスル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5カジノ利権と70年代音楽と。

2020年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 日本でもこの映画が流行ってくれればカジノ(IR)法案も廃止になったかもしれない。とにかく統合型リゾート施設とカジノが併設されれば、オープン後の観光収入がどうとかの議論の前に認可や設置時点での政治家の贈収賄が絡んでくるものだと教えてくれる。この映画ではさらにマフィアも経営側にいることを示しているが、今後の日本型マフィアも登場するかもしれません。

 一応、カジノとは関係のない、小物の詐欺師アーヴィン・ローゼンフィルドが主人公になるのですが、FBI捜査官に捜査協力させられたために大掛かりな仕事に関わってしまうという内容。ついでにクリスチャン・ベールのビール腹とハゲ映像も凄い。そーいや、最初は詐欺師4人を捕まえたいとか言ってたくせに、後半には政治家、特に市長のカーマイン(ジェレミー・レナー)に焦点を絞ってしまった。それにしても囮捜査なのに金かかりすぎだよ!それは血税だよ、け・つ・ぜ・い!

 「一部に実話あり」というテロップも面白いし、当時は日本も腐敗していたし、アメリカも似たようなものだったのだろう。そんなFBIと詐欺師の即席チームもアラブの富豪シーク(マイケル・ペーニャ)を使って融資しようという大掛かりな作戦となり、マイアミでのパーティでは予定外の元マフィアの殺し屋テレジオ(ロバート・デ・ニーロ)が現れ困惑する。いや、デ・ニーロは観客だって驚くぞ(笑)。このペーニャとデ・ニーロの駆け引きも緊張するシーンでした。

 ストーリーは社会派メッセージを伴うコンゲームとなるのですが、それよりも流れてくる音楽がおっさん的には感涙もの。D・エリントン、E・フィッツジェラルド、T・モンクといったジャズもあるが、ほぼ70年台のポップス、ロック。アメリカの「名前のない馬」から始まり、スティーリー・ダン、シカゴ、ドナ・サマー、ELO、E・ジョン、テンプテーションズ、サンタナ、ビージーズ。さらにウィングスの「死ぬのは奴らだ」ではジェニファー・ローレンスの熱唱も楽しめるし、D・ボウイの「ジン・ジニー」も効果音にように上手く使われている。あ、台詞消してもいいですよ♪と言いたくなるほど懐かしい。誰なんだよ、この選曲したのは・・・

kossy