「クズで潔い」ブルージャスミン 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
クズで潔い
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メンヘラのおばさんが最終的に本格的に狂ってしまう残念な話だった。主人公が本当にクズだった。
里子を愛人にしてしまうようなおじいさんが作っているだけあって、親子の情のようなものは、すごくあっさりと何の興味もなさそうに描かれていた。全部の登場人物が自己中心的な欲望に忠実な人間であり、感性の若々しさや瑞々しさが感じられた。しかし、その自己中心性のいきつく果てが発狂であるので、客観性はあるのかなと思った。
ウッディ・アレンは自分以外の他者を、自分以上に大切に思うことは一生ないのだろう。彼にとっての恋愛は、自分の幸福の追求以外なにもないところに一貫しており、徹底していて潔い。
アンドリュー・ダイス・クレイを久しぶりに見れた。そんな役なんだけど、すっかり冴えない中年になっていた。ケイト・ブランシェットは鬼気迫る感じがした。
クズが主人公の映画は大好きなんだけど、女のクズは痛々し過ぎて見ていられない。男の立場でそれを描くのは、いかがなものかなと思う。
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