「彼には未来が見えていた。」スティーブ・ジョブズ1995 失われたインタビュー 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
彼には未来が見えていた。
2011年10月5日。惜しまれつつ世を去ったIT業界の巨人スティーブ・ジョブズ。
1995年にドキュメンタリーTV番組“The Triumph of the Nerds : The Rise of Accidential Empires”がスティーブ・ジョブズに対して行ったインタビューを実施し、番組では、その一部を使用したが、インタビューを収録したマスターテープは紛失していた。しかし2011年、スティーブ・ジョブズの死後、当時の監督のガレージからインタビューを収録したVHSテープが偶然発見。この映画は、そのVHSテープをHDリマスタリングした作品である。
ウォルター・アイザックソンによるスティーブ・ジョブズの伝記を読んだことが有るんですが、Lisaに関すること、仕事を行うチーム編成についてAクラスに限ると言っていること、マイクロソフトに関すること、アップルに関する現状(1995年当時)認識など、伝記と同じことを言っていますね。ジョン・スカリーに対しても、多くは語っていませんが、同じ様です。って言うか、違うことを言っていたら、それはそれで一大事ですが(苦笑)。でも、伝記は、2004年頃から2年間に渡りウォルター・アイザックソンが本人や周囲の人々に取材を行ったものですが、このインタビューはそれに遡ること9年ほど。と言うことは、このインタビューや伝記で語られていることは、彼=スティーブ・ジョブズの、長年の信念なんですね。
ただ興味深いのは、その信念の人スティーブ・ジョブズをして、1995年当時のアップルは、死んだも同然だと思われていたこと。だからこそ、1996年にアップルに復帰した時、大胆な事業の立て直しができたんでしょう。
いやぁ、でも、あの1995年の段階で、webがコミュニケーションの中心になると言うことを見通しているとは・・・。それが、1998年のiMac、2001年のiPod、そして2007年のiPhoneに繋がるんでしょうね。