「こっこの個性。」円卓 こっこ、ひと夏のイマジン ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
こっこの個性。
今作に驚いた(原作内容はまったく知らなかった)のは、
やだ、この子、昔のアタシじゃん!!だった。
他人と違うことがカッコええ。そりゃそうだ。全人一並び教育
の全盛期に育てられた私たちは、同じ価値観、同じ社会性、
右向け右といわれて左を向いたら叩かれるのが当たり前で、
学校教育でも家庭教育でも常に「没個性」を求められてきた。
天才・秀才の部類の「脱平凡」はとっても丁重に扱われたけど…
だから私は学校(というより上から押さえつける教師たち)が
大嫌いで、けっこう反抗していた方だと思う(友達は大好きよ)
こまっしゃくれたガキは本当に可愛くないのだ、大人から見て。
拳骨やビンタはよく飛んできたなぁと思う(今じゃDVだよね)
あまりにドンピシャなことを言われると、大人ってのはキレる
ことを子供の頃に学んだ。そんなこんなで冒頭から大爆笑。
こっこ、いいぞ!こっこ、もっと言ってやれ!なんて、
私の子供時代なんかよりうんと可愛いこっこに心でけしかけた。
悪意などないのだ。相手を不幸にしてやろうとも思っていない。
ただ純粋に、私はこうだ。が、ずばーっと出てしまう子供なのだ。
そこらへんをまったく理解しない大人から見れば、
何なんだこのクソガキは!?てなことになる。ただの生意気。
だけどこっこはいいなぁ。
素敵な家族(ちょっと変だけど)に恵まれている。
そういう子供時代を経験すると、なぜこの子がこうなのかが
分かる。そしてそれを頭ごなしに叱らず、お爺ちゃんのように
「相手の立場を想像(イマジン)してごらん」の言葉が胸を突く。
隣の親友、ぽっさんが訥々と吃音でこっこを諭す姿にも感涙。
家族で夏休みの帰省中、こっこがひとりで変態男(鼠人間)と
出くわしてしまったことを知ったぽっさんが「すまんかったのう~」
とオイオイ泣くところで私も泣けてしまった。何て良い子なんだ!
アンタは懸命に、こっこを守ってくれていたんだよね。
同級生たちとの会話、その宅での出来事、カルピスへの欲求度、
不思議なことや、不思議な会話や、初めて聞く言葉が面白くて
頭で妄想してノートに書き連ねる姿も上手い!!書いて覚えてを
繰り返し、適切な表現を学んでいったんだよ…ジャポニカで!(爆)
あー懐かしい。
(まさかの監督・行定勲。以前のテンポが戻ってきた感じでいいぞぉ)