自分の事ばかりで情けなくなるよのレビュー・感想・評価
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そのままで生きていく
クリープハイプの曲と池松壮亮くんが好きで東京国際映画祭の時に見ました。
正直、2時間の映画と考えるとちょっといいものかどうか分からないけれど、胸がぐっとなる瞬間のある映画でした。映像と音楽の力って無限。
この映画に出てくる人はそれぞれ全員が本当に「自分の事ばかり」で情けなくなる日々を送っていて。映画なのに、だれもかっこいい人出てこない。前向きな人もいない。
それでも好きなバンドのライブに行くとか、ピンサロ嬢でもよっしゃ今日はやるんだって気持ちで突然全力疾走してみたりとか、誰かのために何かを変えようと思ったりとか。
そんなちょっとのことで浮上して、次の日にはまたきっと戻っていく。
本当の映画で起こるような、劇的な何かはきっと起きない。
運命の出会いがあって突然人生が変わるとか、そんなことは結局無い。
それもで、また落ち込んで、浮上して、それを繰り返して人は生きていくんだってことをただそっと「それでいいんだよ」って言ってくれているような映画だと感じました。
それぞれの境遇が特殊だから、全部が全部共感できるわけじゃないけれど、上に書いたような事は同じだと思った。
明日からは変わろう、変われるかな、うん、頑張る。
でもやっぱりだめだった。
でもまた頑張ろう。
人生をエネルギッシュに、パワフルにまっすぐ生きれたらそらいいんだけど、そんな事なかなか難しい。
失敗して浮上してもがいて生きていこう。
個人的にはピンサロ嬢と彼氏が復縁してくれてよかった。なんか応援したい。
(見た時は時系列が分かんなかったけど、監督がそう話してた)
あと、いろんな人がいろんなストーリーに入り込んでくるから、それぞれの人生はそれぞれの世界でしか進んでいかないんだよなっていうのを改めて実感した。
私が今日電車で一緒になる人たちにも、それぞれたくさんの人生があるんだ。
皆がみんなの事情をもって生きていく。
誰がどんな痛みを持ってるかは分からないけど、ちょっとでも考えてあげられたらいいね。
ただ、やっぱりPVをつないでというか元がPVだからストーリーがちょっとわかりにくくて、映画としては???なかんじだけど、映像と音楽の力を再認識させてくれた作品。
ラストシーンの池松君、すごかった。
あの現場すごい緊張感ですごい空気だったんだろうなって勝手に想像して興奮した。
なんかさわやかな青年というイメージしかなかったんですけど、なんでもできちゃう人なのですね。すごい。
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